研究課題/領域番号 |
19K13927
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 甲南大学 (2020-2022) 京都光華女子大学 (2019) |
研究代表者 |
関 めぐみ 甲南大学, 文学部, 講師 (20793045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | マネージャー / 学生スタッフ / 経験記述 / フォーカス・グループ・インタビュー / 女子マネージャー / ジェンダー / スポーツ / セクシュアル・ハラスメント / IE / エスノグラフィー / Dorothy E. Smith |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ環境においては女性がセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)を甘受しやすいことが知られている。申請者のこれまでの調査でも、セクハラ行為をセクハラと思わない運動部女子マネージャーの存在が明らかとなっている。なぜ彼女たちはセクハラだと思わないのだろうか。本研究を通して、スポーツ環境における様々な差別や暴力問題を組織的に解決するための良質なスポーツ・ガバナンス(組織統治)につなげる知見を見出したい。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、女子マネージャーの活動内容(仕事)と意識についての「語り」をもとに、社会学研究の新しい方法論であるInstitutional Ethnography(IE)を用いて、女子マネージャー制度における制度的な性差別の存在と女子マネージャーがセクシュアル・ハラスメントを甘受しやすい要因について明らかにすることにある。2022年度の成果は、以下の通りである。 1.「経験記述」の分析:2021年度に倫理審査を経て実施した、5大学アメリカンフットボール部の学生スタッフ67名のフォーカス・グループ・インタビュー(FGI)では、事前に「経験記述」を提出してもらった。提出された66名分の「経験記述」を分析し、次の論文にまとめた。→関めぐみ(2023)「大学運動部活動の学生スタッフのためのInstitutional Ethnography(1)――経験記述から見える組織の一員としての「女子マネージャー」」『甲南大學紀要文学編』173:109-121. 2.マネージャーへのFGIの分析:学生スタッフ67名のFGIのうち、「女性」かつ「マネージャー」であると回答した20名の語りに着目し、マネージャーの仕事について分析した。この成果は、スポーツ社会学会(於:中京大学)にて口頭発表を行った。→関めぐみ(2023)「「女子マネージャー」の 「見えない仕事」の意味 ――大学アメリカンフットボール部学生スタッフの語りから」 3.IE研究についての情報収集と意見交換:IEに関するオンラインイベントに2回参加し、最新の情報を集めた。また、IE創始者の Dotothy Smith氏と親交の深かった上田洋子博士と月1回程度オンラインで意見交換を実施した。 4.先進的な研究についての調査:「ジェンダーとスポーツ学会」および「スポーツ社会学会」に参加し、情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に実施した調査の結果について、紀要論文と学会発表という形で発信ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、67名のFGIのうち、「マネージャー」20名以外の、「トレーナー」23名、「アナライジングスタッフ」19名、「チアリーダー」5名の分析を進め、学会発表および投稿論文としてまとめる予定である。
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