研究課題/領域番号 |
19K13929
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
富永 京子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70750008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会運動 / 排除 / アクティビスト・アイデンティティ / フェミニズム / 若者 / 下位文化 / Activist Identity / Convergence Space / Political anthropology / ライフスタイル / 対抗文化 / ライフスタイル運動 / シェアハウス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、社会運動の従事者たちが集まって運営するシェアハウス・スクウォットハウスを通じて日常的に、私生活を通じて政治的な理念と規範を実践・再生産し、またそれをデモや政策提言といった集合的な社会運動へと反映する過程を検討する。活動家内での生活実践を通じた規範・作法への適応や、相互調整や葛藤の過程を明らかにし、異なる規範や作法同士の衝突・排除へと帰結するメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、弱者の救済やマイノリティの社会的包摂を訴えるはずの社会運動において、排除や差別を生み出すような作法や規範が生成・再生産されてしまうメカニズムを明らかにする。本研究は日本の社会運動をめぐる規範や作法が、労働や家庭での生活といった「日常」と、人々が集まって行うデモなどの組織的な「社会運動」を往還する中で形作られると想定し、分析を行った。 研究の結果、社会運動の規範は運動従事者が過ごす日常や参加する社会運動に加え、社会運動従事者が運動の現場に向かうまでの「移動」やメディアの注目を浴びる「公的機会」の中で生成されることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本におけるデモ参加率はおよそ5%と、先進国内でもかなり低いことが知られている。また、警察による規制も厳しい。しかし、日本は組織的な社会運動が困難な一方で、生協運動や消費者運動に代表される、日常を通じた活動が非常に盛んであるという珍しい社会である。日本の事例を検討しながら「日常」を「社会運動」と対比させ、両者の往還を検討しながら「規範」「作法」を検討する申請者の試みは、現代に至るまで「社会運動に厳しい社会」と言われてきた日本の社会運動参加・政治参加の有り様を解き明かす上で重要な意義を持つ。
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