研究課題/領域番号 |
19K13935
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2022) 東京工業大学 (2019) |
研究代表者 |
河西 奈緒 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員 (20817522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ホームレス / 憲章 / プレッジ / マンチェスター / コ・プロダクション / パートナーシップ / ホームレス憲章 / 市民 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、英国マンチェスターのホームレス憲章とそれに付随するプレッジシステムを核としたホームレス問題解決の取り組みを明らかにし、ホームレス政策におけるプレッジシステムの有効性を検証する。憲章の理念に賛同する団体や個人が、問題解決のために自身がとる具体的行動を宣言するのがプレッジの仕組みだが、従来の枠組みを越えた都市の広範なプレイヤー(行政、非営利団体、企業、大学、市民)の主体的行動を集め、これを統合して問題解決にあたるという当市の画期的な取り組みを解明する。
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研究成果の概要 |
研究第一の成果は、英国マンチェスター市におけるホームレス憲章の設立過程やキープレイヤー、憲章を核とした運動体の組織体制を明らかにしたことである。当市の取組全体に、政策意思決定への当事者参加を原則とする「co-production(共創)」の理念が通貫し、当事者や支援現場の発意による課題別アクショングループが、運動全体を推進していることが明らかとなった。 第二の成果は、憲章に付随するプレッジシステムの運用を明らかにし、プレッジ行為者の属性と内容分析を通じて、同システムの有効性を検証したことである。また、第三の成果として、同市の問題解決モデルを東京の関係者に共有し、東京への応用について意見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、世界的にも類を見ない、画期的なマンチェスター市のホームレス憲章及びプレッジシステムを核とした取組内容を解明し、有効性の検証を行った。英国内では同市の手法に倣いプレッジシステムを備えた憲章を起案する都市が現れ始めており、その原型の事例を解明したという学術的意義がある。また、ホームレス憲章やプレッジシステムが示す、目標・価値共有に基づく自律的な運動体の仕組みや、当事者を政策レベルの意思決定に含める共創アプローチは、日本のホームレス支援策には見られないものであり、その手法を東京へ応用する際の必要条件や課題を関係者らと検討した点に、社会的な意義がある。
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