研究課題
若手研究
インターネット等では科学的根拠に乏しい健康情報が氾濫しているため、高齢化が進む我が国では、正しい健康情報を、最も必要としている人に、最も適したタイミングで、最も適した方法で発信・共有できる体系の整備が急務である。本研究では、大阪府豊中市の薬局にICTを駆使した双方向性の情報発信・共有体系を構築し、薬局が発信する健康情報が地域住民の健康維持・増進にどのように貢献できるのかを明らかにする。
正確な健康情報を発信・共有し、疑問を即時解決しうる拠点として、保険薬局が最も適しているのではないかと考え、薬局の健康情報発信拠点としての可能性を探るべく薬局における情報発信の影響を調査した。薬局に設置されたデジタルサイネージから発信される健康情報が薬局利用者にとって有用であることが示された。さらに、健康情報発信の継続的な効果が示唆された。また、デジタルサイネージから発信する健康情報と薬局薬剤師の情報提供により、薬局利用者の行動変容が促される可能性が示唆された。
超高齢社会を迎え、特に未病段階からの予防が重要となっているわが国では、もっとも適した人に、最も適したタイミング・方法で正確な健康情報を発信できる体形を整備することが急務となっている。国民の健康増進、地域づくりなどの分野における戦略的取り組みの一つとして“人々が自ら健康の維持・増進に主体的に関与していく”ことが求められており、そのために必要な医療サービスなどの的確な情報を発信する仕組みの確立が喫緊の課題となっている。本研究の成果は、地域住民の健康拠点としての薬局の利活用につながりうるという点で医学的・社会的意義を有する。
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社会薬学
巻: 41 号: 2 ページ: 175-186
10.14925/jjsp.41.2_175