研究課題/領域番号 |
19K13940
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
日野原 由未 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (90783556)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 外国人材 / 福祉サービス / エッセンシャルワーク / キーワーク / cultural competence / adult social care / ソーシャルワーカー / トランスナショナル / ソーシャル・ワーカー / サービスの質 / 福祉国家再編 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、① 医療部門と福祉部門における外国人材への需要に関する比較検討、②福祉サービスにおける外国人ソーシャル・ワーカー の雇用、③日本の福祉サービスにおける外国人材受け入れの現状と今後の展望、④トランスナショナルな福祉サービス供給体制構築の展望の検討、を行う。 ①では医療部門との比較を踏まえ、福祉部門における外国人材受け入れの特徴を考察し、②ではイギリスの地方自治体における外国人ソーシャル・ワーカーの導入について事例研究を行い、③では日本の福祉現場における外国人材受け入れ制度の現状と課題を検討し、④では①~③を踏まえ、トランスナショナルな福祉サービス供給体制構築の可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、クライエントの人種的・民族的多様性という観点から福祉サービス供給に求められる今後の再編のあり方を明らかにすることである。相談援助の観点から、外国人クライエントへの福祉サービス供給において生じる新たな質的に多様な需要への対応の必要性を指摘し、海外の事例としてイングランドの自治体における実践を踏まえながら、外国人ソーシャルワーカーの活用も念頭に置いて、今後の福祉サービスに求められる再編を明らかにすることである。 上記の研究目的の下で、2022年度はイギリスでのヒアリングを中心に研究活動を実施した。具体的には、イングランドの成人社会的ケア領域における外国人材の導入状況について、現地の研究者やケアの質委員会(CQC)へのヒアリングを行った。 また、ケアワークやソーシャルワークをエッセンシャルワーク(キーワーク)という視点でとらえた際に、こうした領域で外国人材を導入することの意義と課題について検討した。 コロナ禍を経て一層重要性が認識されたケアワークやソーシャルワークの領域において、外国人材の導入は労働力の補てんのみならず、人種的・民族的多様性が進んだ社会におけるエッセンシャルワークの提供という点で、改めて必要性が指摘される。他方で、イングランドの全国最低賃金・全国生活賃金額、イングランドの各産業の月収中央値、ケアワーカーと他の低賃金業種の月収中央値との比較等のデータから、とエッセンシャルワークの提供という極めて社会的貢献度の高い仕事において、とくに外国人材の受け入れが進む領域での賃金の低さが指摘された。 上記と並行して、2020年度から継続して、イギリスのEU離脱後の新たな移民政策の運用状況等についての整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
感染症拡大の影響で、研究計画時に予定していた海外でのヒアリング調査が予定通りのスケジュールでは実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
イギリスを対象とした研究と並行して、本研究課題で掲げた3つ目の研究項目である「日本の福祉サービスにおける外国人材受け入れの現状と今後の展望」についても研究を進める。日本の福祉サービスにおいて、外国人クライエントを想定した際に必要な制度設計について検討する。
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