研究課題/領域番号 |
19K13951
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
加藤 倫子 立教大学, 社会情報教育研究センター, 特定課題研究員 (40756649)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 保護観察対象者 / 犯罪からの離脱 / 生活困窮 / 社会的排除 / 拘禁の痛み / 受刑経験のある女性の支援 / 薬物事犯で受刑中の女性対象者 / 自己決定 / 社会内処遇 / 社会復帰 / 支援 / 保護観察 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の日本の刑事政策では、刑務所出所者等の再犯を防止する施策に重点が置かれている。保護司や保護観察官は、保護観察対象者(以下、「対象者」とする)を社会に適応させ「犯罪や非行をしない」主体へと変容させるためのアプローチや、住居や就労の機会を得て生活するための支援を行っている。本研究ではこれらのアプローチや支援に焦点を当て、構造的な排除の影響を受けやすい住居や就労の機会を確保するために、保護司や保護観察官が行う支援や介入が、犯罪や非行から離脱していくプロセスにどのように寄与しているのかを明らかにする。また、保護司や保護観察官の支援や介入が逆説的に離脱を阻害するケースについても検討・考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、保護観察官および地域生活定着支援センターの職員にインタビューを実施した。しかし保護観察官については、対象者の住居や就労の確保にはあまり関与していないことが明らかとなったため、研究計画を変更し、薬物使用によって受刑経験のある女性への支援に焦点を当てることとした。この支援は女性特有の課題にアプローチするものだが、そうした支援をもってしてもなお、構造的不利の影響を受けやすい女性の元受刑者が生活していくには制度的な対策が不十分で、ジェンダー観を含む各々の意識を変容させることや、違法行為にかかわらないライフスタイルを身につける等、個々人で対処せざるを得ない状況が残されていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、保護観察対象者(以下、「対象者」とする)に対して、再犯の防止を目的として行われているアプローチや支援に焦点を当て、それが実施される際の課題について検討した。こうした作業を通じて、対象者が犯罪や非行から離脱するプロセスにおいて、保護司や保護観察官の支援がどのように寄与しているかが確認された。また、対象者への支援が、離脱のプロセスに寄与しているだけではなく、阻害される可能性があることや、支援が限定的なものであることが示唆された。こうした成果をつうじて、対象者への支援や介入が、対象者にとって必ずしも「善なるもの」として展開されているとはいえないという批判的な視点を提示することができた。
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