研究課題/領域番号 |
19K13952
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
金 在根 目白大学, 人間学部, 専任講師 (10780504)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 重度障害者 / 介助関係 / 居心地の良い関係 / 自己決定 / 有意義な生活 / 事業所の役割 / 自立生活センター / 介助者 / 介助派遣事業者 / アンケート調査票の作成 / 介助関係研究会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、長時間介助サービスを要する障害者の介助関係をめぐる実態と課題の検討を通して重度障害者の生活において見え隠れしている生きづらさを明らかにすることである。現在、多くの重度障害者が介助サービスを受けながら地域で自立生活をしているが、重度障害者の生活を見ると、介助者との関係で問題が多いため主体的な生活が難しいことがある。 本研究では、介助関係の問題が障害者と介助者の人間性や相性に期待される現状に問題意識をもち、重度障害者の介助関係を障害者、介助者、事業者の3者の立場から多面的に捉える。本研究の成果は、障害者の自立生活支援の在り方および、介助サービスを担う人材の育成に寄与することができる。
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研究成果の概要 |
長時間介助サービスを利用する障害者は、自己決定を尊重する介助者より一緒にいるときに居心地の良い介助者の方を望んだ。この結果から、長時間他人と一緒に生活するうえで抱える生きづらさは居心地と重要な関係があることが分かった。 介助者は居心地の良い関係の次に、充実な生活を送る障害者が望ましいと考えており、それは、障害者の自己決定及び自立した生活を抑圧する要素として作用するのみならず、障害者が求める居心地の良い関係形成にも影響すると考えられる。したがって、長時間介助サービスを利用する障害者の自立生活を実現するためには居心地をキーワードに障害者と介助者の両方の立場から介助関係を議論する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
障害者の自立生活においては自己決定の概念が最も重視されてきた。しかし、長時間介助サービスを利用する障害者は自己決定より「居心地の良さ」を求めていることが分かった。この結果より、行政はサービスの支給量の保障そして、事業所は介助者の確保のみでは重度障害者の自立生活を支援することができないことが分かる。したがって、本研究の社会的意義としては、行政の福祉サービスのあり様を見直す契機に、そして学術的意義としては、介助関係の現状を把握し、長時間介助サービスを利用する重度障害者の見え隠れしている生活課題を捉えなおし、新たな障害者と介助者の関係を議論する土台になったと考える。
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