研究課題/領域番号 |
19K13955
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
三木 良子 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (70595404)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 精神障害者 / 働きがい / 労働環境 / 語り / 雇用 / 職場環境 / 働きやすさ / 主観的評価 / 精神障害 / 一般就労 / 継続支援 / 支援ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
近年、障害者の雇用施策が拡充され、特に精神障害者の雇用者数が増加してきている。 一方で、雇用に関する統計調査では、精神障害者は1年以内の離職率が6~7割との結果もある。これまで精神障害者の就労支援や雇用に関する研究はなされてきているが、継続して働くことへの寄与までには至っていない。 そこで、本研究では精神障害者が継続して働き続けることを可能とする労働環境や支援技術の構築を目的とする。現在進められている「地域共生社会」の一環となるべく、精神障害者が働きやすい、そして働き続けることのできる労働環境や支援策の整備は緊急的課題である。
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研究実績の概要 |
2022年度は、「研究実施計画」にあるよう、企業就労中の精神障害者を対象としたインタビュー調査を行った。インタビュー調査の目的は、「精神障害者にとって就労が継続するための「働きがいのある労働環境」を明らかにする」ことである。研究対象者は、一般の事業所で雇用されており、およそ1年以上継続している精神障害者9名である。研究方法は、インタビューガイドを用い半構造化面接によって実施した。分析は、逐語化されたインタビュー内容をコーディングし、分析ワークシートとストーリラインを生成し、「精神障害者の語りによる働きがいのある労働環境」を明らかにすることを試みた。 分析結果、精神障害者にとって働きがいのある労働環境とは、「上司や同僚との「コミュニケーション力のあるチームワーク」があることで、自分なりの仕事のやり方が認められる「自己決定の承認」や、「意義を感じる役割」によって自分の仕事が役立っていること、またルーティンだけでなく仕事の幅を広げるための「自主的な学びの保障」により、「周囲に認められる」という実感を得る。それにより「成長を実感」することができる。また、仕事だけでなく「何気ない交流」も職場の一員であることを感じることができる」というものであった。この分析結果は、暫定的なものであるが途中経過として、第49回日本職業リハビリテーション学会において研究発表として報告をしている。また、現在最終の分析と論文執筆を行なっているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、精神障害者の働きやすい・働きがいのある労働環境を明らかにし、パイロット研修を通してテキストを作成することを目的としている。しかしながら、アンケート調査及びインタビュー調査の分析が遅れたことにより、パイロット研修とテキスト生成までに至っていない。分析が遅れた原因としては、インタビューデータの読み込みと、そこから得られる概念生成がうまくいかず予想以上に時間を要したことによる。現在、分析の最終段階であるため、終了後に早急にパイロット研修とテキスト作成に移行する。
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今後の研究の推進方策 |
精神障害者の働きやすい・働きがいのある労働環境を明らかにし、パイロット研修を通してテキストを作成する。現在、インタビュー調査の分析の最終段階であるため、終了後に早急にパイロット研修とテキスト作成に移行する。パイロット研修については、就労支援機関へ協力依頼を行なっており、7月に支援者を対象に実施する予定である。 これまでのアンケート調査とインタビュー調査で抽出された、「働きやすい労働環境」「働きがいのある労働環境」が作られるよう支援者としてどのように雇用者に働きかけるか、就労している精神障害者の支援に活かされるかを検証し、そこから見えた研修成果をもとに10月にはテキストを作成する。
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