研究課題/領域番号 |
19K13968
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
宮前 史子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60415502)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 認知症 / 当事者 / 本人ミーティング / セルフヘルプ・グループ / ピアサポート / アクション・リサーチ / 地域づくり / 自助グループ / アクションリサーチ / 当事者参画 / エンパワメント / フォーカス・グループ・ディスカッション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、社会モデルに基づいた認知症の本人の回復と参画に向けた支援の方法論を示すことを目的とする。認知症の本人の実態調査を行う際に開発された手法で、認知症の本人の意見をフォーカス・グループ・ディスカッション(FGD)に近い形式で聴く「本人ミーティング」を開催し、そこで語られる発言内容を分析し、認知症の本人が回復し社会参加に至るプロセスの促進要因と阻害要因について明らかにする。さらに本研究から得た知見を基に、地域づくりと認知症の本人の参画を促進させるための手引きを作成する。
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研究実績の概要 |
昨年に引き続き、アクションリサーチの手法を用いて、本人ミーティングを開催しながら、実行可能性、参加者の語り、グループの変化の過程を検討した。今年度もCOVID-19の流行は昨年度に比べれば落ち着いてきたものの、感染リスクの高い高齢者を集めての活動であるため、周知を近隣にとどめて感染予防対策を行いながらミーティングを開催した。2022年度の参加者数はのべ201名(平均出席者数16.8名)であった。本人ミーティングで語られたことについて質的分析を行い論文化した。現在国際誌に投稿中である。 参加者からの希望により開始した勉強会「認知症ゼミナール」は、参加者の主体性を尊重し、毎回のテーマは参加者が決めることが特徴であり、20回で終結した。周知を控えていたにもかかわらず、のべ236名が参加(平均出席者数は11.8名)し、最大18名の参加があった。参加者の満足度は高かった。特筆すべきは、認知症に関する学習だけでなくACPがテーマとして取り上げられたことにある。この試行をもとに当事者の立場で認知症の知識、社会資源、そしてACPまでを学び議論するプログラムを作成中である。また、本件については、次年度開催の日本認知症ケア学会第24回大会で報告予定である。 区内、区外の他の地域より、本人ミーティング開催に関する研修依頼とコンサルテーションの依頼が増えてきている。現在、1地域の立ち上げを支援し、現在2地域をコンサルテーション中である。今後は本人ミーティングの立ち上げの方法や課題に関して検討し、一般化について検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の世界的な流行による影響により、開催時間の短縮や周知の縮小、他地域で開催している本人ミーティングの見学やコラボレーションなどはまだできていない。しかしながら、本人ミーティング参加者との協働によって始まった認知症ゼミナールは予想以上の成果を得ることができた。また、これまで得たデータをもとに論文化にも着手することができ、成果の発信に取り掛かることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究5年目は、COVID-19の感染予防対策を行いながら、引き続き本人ミーティングを継続的に開催する。本人ミーティングの運営方法の手引き化に加えて認知症ゼミナールのプログラム化と実行可能性の検討を行い、他地域でも開催できるような教材として共有できるようまとめていく予定である。
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