研究課題/領域番号 |
19K13981
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 國學院大學 (2020-2022) 北海道医療大学 (2019) |
研究代表者 |
櫻井 潤 國學院大學, 経済学部, 准教授 (10382508)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | オバマケア / メディケイド / ウェイバー / 連邦補助金 / 州財政 / 政府間関係 / テキサス / アメリカ / 政府間財政関係 / 地域医療 / 医療扶助 / 医療保障政策 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の全国一律で画一的な医療扶助を、地域の医療ニーズに対応したシステムとして再構築することは、セーフティネットの医療保障を効果的・効率的に行う鍵である。その最も参考になる事例として、アメリカの州政府は連邦医療改革法「オバマケア」の下で、無保険ワーキングプアの「医療ニーズへの対応」と「最も費用節約的な方法」を兼ね備えた医療扶助システムの再構築を目指している。本研究の目的は、アメリカの「オバマケア」の下での分権的な医療扶助改革を、「医療ニーズへの対応」と「最も費用節約的な方法」の両立を目指すプロセスと捉え、州の事例分析を軸に検討し、効果的・効率的なシステム構築の意義と条件を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
令和4年度の研究成果は以下の通りである。 第1に、アメリカにおける2010年患者保護アフォーダブルケア法(Patient Protection and Affordable Care Act of 2010;通称「オバマケア(Obamacare)」)成立後の州政府による医療保障政策の展開過程を、無保険車(uninsured)が多くそれらの人口比が州の中で最も高いテキサス州における医療扶助のメディケイド(Medicaid)改革をめぐる州・連邦政府間関係の検討を通して実証的に明らかにした。この研究は、後述の現地調査における州政府の医療保障政策担当部長および地域医療連携担当ディレクターへの聞き取り調査を交えて行った。研究成果として、『テキサス州のメディケイド1115ウェイバーをめぐる州・連邦政府間関係の動態:連邦政策の動向を見据えた州政策の展開』と題する学術論文をまとめることができた(前年度に入稿済および掲載決定・今年度に若干の加筆修正を経て上梓)。 第2に、テキサス州において現地調査を行い、医療保障政策における地域医療連携戦略および政策過程にかかわる専門家への聞き取り調査を行うとともに、それらの訪問機関や州内の医療機関等において資料収集を行った。 第3に、次年度に実施予定のテキサス州およびワシントンD.C.における現地調査の準備として、これまでに入手した文献・資料・統計等の分析を行うとともに、海外の研究協力者との連絡調整を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大が続く状況の下で、研究期間の1年間の再延長を申請した。 令和4年度には、令和2年度から続く感染拡大に伴い海外への渡航が著しく制限されるとともに、海外の医療機関に所属している研究協力者の職場において感染症対策などの業務が過重になったことから聞き取り調査を中心に研究への協力体制に大きな制約がかかった。そこで、研究の手順や方法を可能な限り工夫し、これまでに入手した文献や資料等を用いた研究を行うことによって、1本の学術論文を上梓し、次の論文執筆に着手するとともに、次年度に実施予定の海外調査の準備を海外の研究協力者からの協力を得て進めることができた。 とはいえ、海外渡航が困難であったことから全2回を予定していた現地調査のうち1回を見送らざるを得ず、今年度の研究は当初の研究計画よりもやや遅れていると言わざるを得ない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究機関の再延長を申請し、次年度には引き続き新型コロナウィルス感染状況の推移を見守りながら、可能であればテキサス州およびワシントンD.C,での現地調査を各1回行う計画である。とはいえ、感染拡大に伴う研究活動への制約が少なからず生じることが考えられ、現地調査を実施することができた場合にも、調査内容や調査日程の変更が必要となる可能性が高い。この点をふまえると、次年度にも当初の計画通りに研究をまとめることは困難になる可能性があるが、調査内容・研究計画・研究期間の変更を視野に入れながら、実行可能な研究を進める所存である。
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