研究課題/領域番号 |
19K13995
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
角崎 洋平 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (10706675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 特例貸付 / 償還免除 / 生活福祉資金貸付 / 世帯更生資金 / ストックの生活保障 / 金融ウェルビーイング / 金融包摂 / コロナ / 金融排除 / 柔軟な債権管理 / 信用生協 / 家庭経済ソーシャルワーカー / 金融ケイパビリティ / 金融福祉 / 福祉貸付 / 協同組合金融 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、生活困窮者の金融ケイパビリティに資す貸付システムのための諸条件について整理・確認し、そのような条件を充たす包摂的な貸付システム構築を支援する公共政策の必要性について、明らかにすることである。 上記目的のため、生活困窮者等向け福祉貸付事業の効果および具体的な債権管理方法について調査し、その特徴を明らかにする。また家計改善支援事業における貸付関係サービスについても調査し、その役割についても明らかにする。そして、調査結果により明らかになる効果的な生活困窮者向け貸付制度の特徴を踏まえて、こうした貸付制度を公共政策によって構築することの規範的な妥当性を、社会正義論の観点から明らかにする。
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研究実績の概要 |
生活福祉資金貸付コロナ特例貸付の償還体制について、2023年度は生活福祉資金貸付の実施主体である都道府県社協に対する調査を実施した。関西の府県社協に対するインタビュー調査を実施し、償還体制、とりわけ特例貸付の償還免除・償還猶予の実施状況や、借受世帯に対するフォローアップ体制の現状について確認した。明らかになった主な点は次のとおりである。①償還開始債権のうち、3割~5割が償還免除になっている。②多くの県社協は借受世帯から償還猶予の申請があった場合は柔軟にそれを認めている。③県社協も市区町村社協も償還体制のために人員増員を図っているが、人材確保に苦心しており、償還免除・猶予世帯を含めた丁寧なフォローアップにまで至ってない社協が多い。以上の点を貧困研究会の研究大会で報告し、償還免除・償還猶予となった借受世帯に対するフォローアップ体制を自立相談支援機関・家計改善支援機関等との連携により強化することが必要であることを指摘した。 あわせてこれまでの本科研での調査や理論研究を踏まえて、『貧困研究』誌において、これまでのコロナ特例貸付についての総括をする論考を発表した。特例的な運用により生活福祉資金貸付の借受世帯が急増し、生活の急変を防いだことを評価した。一方で、借受世帯の急増を原因として、個別の丁寧な相談支援が困難だったために、貸付が低所得世帯の家計改善にはつながっていないケースが多いことを指摘した。そのうえで、生活福祉資金貸付は、特例前の制度に単純に回帰するのではなく、以下の点の改革が必要であることを指摘した。①生活福祉資金貸付の対象となる低所得世帯の基準の引き上げ、②償還免除も織り込んだ継続的な借受世帯のフォローアップ体制の構築、③社会福祉協議会以外の貸付事業に関係する団体や機関との連携・分業の強化、④低所得者の生活を支える貸付以外の制度の拡充、である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施予定であったフランスでの金融包摂についての現地調査が実施できなかった
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今後の研究の推進方策 |
フランスでの金融包摂についての現地調査を実施する。昨年度は別の研究でフランスを訪問しており、本研究の今後の調査に向けた知見も得ており、訪問先についても目途をつけている。仮に今年度フランス調査を実施できない場合は、方針を切り替え、メール・文献・オンラインで情報を収集するとともに、国内の生協系の福祉貸付事業やコロナ後の社協の特例貸付フォローアップ体制の調査を強化する。
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