研究課題/領域番号 |
19K14006
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東洋大学 (2020-2021) お茶の水女子大学 (2019) |
研究代表者 |
郡山 貴子 東洋大学, 食環境科学部, 講師 (20825369)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 豆 / 貯蔵 / 硬化 / 調理 / 速度論的解析 / 焙煎 / 抗酸化 / ムクナ豆 / 粉末 |
研究開始時の研究の概要 |
豆類は栄養性・保存性に優れた食材だが,貯蔵条件によっては加熱調理による煮熟性が低下するだけでなく,栄養成分や食味が損失するため,食用としての利用性が低下する。この現象は硬化またはHard-to-Cookと呼ばれ,有効的な活用方法は確立されていない。本研究では,貯蔵豆について新たな食品素材としての用途を確立することを目的とし,硬化現象のメカニズム解明とは異なるアプローチで貯蔵豆の問題解決に寄与する。そのために調理・加工特性,嗜好性,および機能性の改善が可能であるかを明らかにし,得られた知見を食品産業だけでなく,家庭および学校や病院等の調理現場において利用可能なレベルにまで発展させることを試みる。
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研究成果の概要 |
高温高湿下で貯蔵した豆はいくら加熱しても軟らかくなりにくく、嗜好性が低下する。この現象は豆の硬化と呼ばれるが、本研究ではそのメカニズムおよび硬化に対応した調理方法について検討した。豆の調理において必ず行う「浸漬」の影響に焦点をあて、貯蔵豆の吸水速度および軟化速度を解析し、得られた値から、適度な軟らかさになるまでの最適加熱時間の予測および硬化現象の発現を回避する調理方法を決定した。また、高温高湿下で貯蔵した豆には種皮だけでなく子葉部分の成分や組織にも大きな変化がみられるが、このことが豆の機能性にも影響を及ぼすことが示唆された。これらのことから、今後貯蔵豆を有効的に活用するための有用な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
貯蔵により硬化した豆は、有効な活用方法が確立されておらず、未利用のまま廃棄されてしまうことが多いため、食品ロスの観点から国内外で大きな問題となっている。豆類はわが国において食文化および伝統的な調理・加工品において欠かせない食材であり、これらの問題を解決するためには、貯蔵後の硬化した豆に新たな価値を付加し、食品素材としての用途を確立することは不可欠である。本研究の結果より、貯蔵後の豆はそのままでは利用価値が低下しているが、適切な調理法を用いることで機能性食品としての付加価値を与える可能性が期待できることが明らかとなった。今後貯蔵豆を有効的に活用するための有用な知見を得ることができた。
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