研究課題
若手研究
「小さく生まれ大きく育つ」と将来の肥満や生活習慣病のリスクが高まることが明らかとなってきた。この現象が我が国で最も顕在化しているのが沖縄県である。低出生体重児の割合が全国一である一方、肥満者の割合が小児期から成人期まで総じて高い。本研究では、沖縄県において、幼児およびその母親約2000組を対象とした質問紙調査を実施し、「小さく生まれ大きく育つ」現象の要因を、母親の妊娠前から児が3歳に至るまでの①食行動を含む生活習慣、これらに影響すると考えられる②母親の食知識・態度、③家庭状況・socioeconomic status(SES; 社会経済的背景)の3段階から解明する。
沖縄県において、「小さく生まれ大きく育つ」要因を、食習慣など至近要因および社会経済的背景などの背景要因から把握することを目的として、沖縄県内の保育所等(公立・私立保育所および認定こども園)に通う3~6歳児の幼児および母親に対する質問紙調査を実施することを計画している。具体的には、児の妊娠前および妊娠中の母親の栄養状態(体格、体重増加量等)、児の出生時から現在に至るまでの身長および体重、また、母親と児の食行動などの生活習慣、母親の食知識・態度、家庭状況および社会経済的背景を把握する。児および母親の体格は、母子手帳からの転記を依頼、または保育所等における身体計測値から転記する。現在の食事摂取状況を既存の食事歴質問票(BDHQ)を用いて把握し、エネルギー・栄養素摂取量、食品群毎の摂取量を算出する。その他、幼児および母親の生活習慣や母親の教育歴、世帯年収等を母親への質問紙調査により把握する。得られた結果を用いて、幼児の出生時から現在までの栄養状態に関係する因子を至近要因および背景要因から探索する。最終的には、児がよりよい健康状態を維持するための母子の食習慣や環境整備の在り方を示すためのエビデンスとする。現在、研究計画書を倫理審査委員会に提出しており、承認され次第、沖縄県内の保育所および認定こども園に調査を依頼する。調査への協力が得られた保育所等に通う保護者へ研究の内容等を説明後、同意が得られた者に調査を実施する。
4: 遅れている
一昨年度までは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、保育所等との打ち合わせおよび調査の実施が難しかったため遅れた。
本年度(令和6年度)中に調査を実施し、結果を報告する予定である。
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