研究課題/領域番号 |
19K14030
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
雨宮 敏子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80750562)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 消臭 / 見える化 / 可視化 / 機能性繊維 / 媒染染色 / におい / 銅 / 天然繊維 / 繊維 / 染料 / チオール / アンモニア / 消臭布 / 混合臭 / 酢酸 / 鉄 / 遷移金属 |
研究開始時の研究の概要 |
天然繊維を用い,媒染染色の手法で消臭機能を付与する特徴をもつとともに,悪臭物質の化学的除去により繰り返し使用可能な消臭布を開発する.本研究では,古来,色素の固着性向上や色相変化を目的として草木染などの天然染色において経験的に行われてきた金属処理の手法である媒染染色を応用し,銅をはじめとする遷移金属の酸化触媒作用を利用したチオール除去,酸塩基中和を利用したアンモニアおよび酢酸に対する除去機構を詳細に解明する.さらなる付加価値として,消臭前後で布色が変化する消臭布を開発し,消臭機能の可視化(見える化)を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,天然繊維に対し,特別なバインダー等を必要とせず比較的平易に調製可能な媒染染色の手法で消臭機能を付与するとともに,悪臭物質の酸化による除去により繰り返し使用可能な消臭布の開発および機構の解明を行った.また,染料や繊維高分子へのイオン的吸着による除去を行う消臭布を調製し,酸化型の消臭布との併用による効果を検討した.さらに,実用の観点から,使用者が視覚的にも消臭機能を認識し,より安心感や満足感を得られる付加価値を得ること目的として,消臭前後で布色が変化する条件を調べ,消臭機能の可視化(見える化)を追究した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,天然繊維に媒染染色の手法で銅塩や鉄塩を担持させ,その酸化作用により悪臭除去を行う消臭布,加えて染料や繊維高分子のイオン的性質を利用した吸着型の消臭布を調製した.異なる除去機構をもつ消臭布を併用した悪臭除去について,除去量だけでなく分解や吸着速度に着目し,詳細な機構解明を行った点で学術的意義をもつ.また,単一臭にとどまらず,チオールとアンモニアなど,除去機構の異なる混合臭に対しての検討など,実環境を見据えた複雑な系においての研究は希少である.さらに,消臭効果の可視化を図ることで,機能の効果に対する消費者の安心感や満足感に繋がる付加価値を与えたことは,大きな社会的意義を有する.
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