研究課題/領域番号 |
19K14033
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
小島 唯 新潟県立大学, 人間生活学部, 助教 (90780403)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 子ども / 食費 / 食品群別摂取量 / 栄養素等摂取量 / 食行動 / こども / 食事摂取基準 / 食習慣 / 栄養素摂取量 / ポジティブデビエンス・アプローチ / 貧困 / 栄養教育 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の低所得世帯を対象とした栄養教育は,具体的な教育手法が顕在化していない課題であり,ポジティブデビエンス(Positive Deviance; PD)(=同じ課題を抱える集団の中で,より上手に問題を解決する者に特徴的な行動や戦略)の概念を用いたアプローチが有用であると示唆される。そこでPDアプローチの概念を用いて,低所得世帯の子どもを対象に,栄養摂取状況の良好な子どもの食事内容や食行動,その保護者の食事づくり行動を明らかにし,それらの行動を普及させるための栄養教育教材を開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究は,低所得世帯の子どもを対象に,食費をかけずとも栄養摂取状況の良好な子どもの食事内容や食行動,その保護者の食事づくり行動を明らかにし,食事にお金をかけなくても健康的な食生活を送るための栄養教育教材を開発することを目的としている。 本年度は昨年度までの食費が安価かつ栄養素摂取状況が良好な児童の食事内容の検討について,さらに詳細に分析し,平日・休日の朝昼夕食別に,食費が安価でも良好な食事摂取をしている子どもの特徴を検討をした。これより,食費が安価でも良好な栄養摂取状況である子どもは,平日休日ともに豆類や緑黄色野菜類の摂取量が多く,主食・主菜・副菜のそろった食事をしている回数も多かった。また,とくに朝食で良好な食事を摂取していた。 また,本年度は,小売物価統計調査を用いて,学童期に推奨される食品群別摂取量における安価で栄養価の高い食品を検討した。食品群別推奨量あたりの食品の価格と,栄養価の質の評価として食事摂取基準に対する充足率を算出し,食品群ごとに,相対的に価格が安価で栄養価の質の高い食品を示した。それらの食品を選択して食事作りを行うことで,安価で栄養価の高い食事につながる可能性が示唆された。 これらの成果により,食費をかけなくても良好な栄養素摂取となる食事内容が具体的に示された。本年度は昨年度までに引き続き,これらの成果の学会発表を行い,論文を執筆している。また,食費の節約と良好な食事摂取の両方を達成する子どもや保護者の食行動について,より低所得世帯の行動に焦点を当てるため,Web調査の計画・調査項目の見直しを行った。次年度は,これまでの研究成果の論文投稿とWeb調査を完了し,栄養教育教材を作成する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の研究実施計画では,子どもの食事調査データにおける食費が安価かつ良好な栄養素摂取状況を満たす食事内容の分析を完了させ,食費をおさえながらも良好な食事を達成する子どもの食行動や保護者の食事作り行動に関するWeb調査を完了する予定であった。しかしながら,Web調査の実施にあたり,食費の節約により焦点を当てることとしたため,先行研究を用いた項目の精査や,食品価格に関する検討を追加で行ったため,Web調査を完了できなかった。次年度は,計画中のWeb調査を完了し,食費をかけずとも,良好な食事摂取を実現するための栄養教育教材を作成する。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度,これまでに学会発表等を行った安価な食費と良好な栄養素摂取状況の両方を満たす食事内容および生活習慣の特徴,安価で栄養価の質の高い食品の検討について,論文投稿を完了させる。また,それに関連する食行動や食事づくり行動について,計画したWeb調査を完了させる。食事内容と食行動,食事に取り入れやすい食品などの観点を含め,低所得世帯でも取り入れやすい,食費を抑えながら良好な栄養素摂取となる食事の工夫について栄養教育教材を作成する。
|