研究課題/領域番号 |
19K14050
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
肖 蘭 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任講師 (50730793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 成人教育 / 教育政策 / アイデンティティ / 移民 / 成人学習 / 高齢者 / 社会参加 / 就労支援 / 民主主義 / 成人継続教育 / 非高等教育 / マカオ / 職業教育 / 新移民 / 多文化共生 / 生涯学習 / 香港返還 / 労働と教育 / 移民支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、失業や不安定就労などの労働問題の解決に向けて、コミュニティにおいて労働と福祉と教育の分野が連携して行う総合的な教育実践、およびそれが労働者個々人の自立と自己形成に与える影響を明らかにする。現代の労働問題を構造的に理解するために、地域に内在している失業問題の解決に向けた教育実践と、移民労働者を対象とする地域教育活動との両方を検討し、グローバリゼーションを前提にした社会的排除に対応するためのより教育システムを構築する。研究対象は、中国(大陸地区)、香港、マカオ、台湾を含むいわゆる中華圏とし、コミュニティを基盤とする新しい教育活動に着目し、実証的研究と比較研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、移民労働者の失業や不安定就労などの労働問題の解決に向けて、コミュニティにおいて労働と福祉と教育の分野が連携して総合的な教育実践を行うことにより、労働者個々人の自立と自己形成とともに、持続可能な地域づくりないし社会づくりを実現していくシステムと理論を明らかにすることである。今年度は主に文献調査と聞き取り調査を中心に研究を進めた。 香港と澳門に関しては、特に両地域における相違点の比較に重点を置いて歴史的な考察を行った。香港と澳門は両方とも植民地であったが、植民地時代の教育、植民地政府の政策方針および返還後の発展方向等が異なるため、国民の教育やアイデンティティにも相違が見られる。これは、それぞれの制度的伝統が、フォーマル教育とインフォーマル教育の展開の違いにつながっており、社会の異なる態度を形成したと考えられる。したがって、過去50年間にわたる香港とマカオの教育政策を通じたアイデンティティ形成の違いについて分析を行った。 その際は、教育機関の発展、 経済発展、 そして人口動態の発展と移民の影響という3つの側面に注目して分析を行い、成人学習と民主性との関連について考察を行った。 台湾に関しては、引き続き新住民の女性の自立支援と新住民の母語教育の促進の取り組みの進捗状況について調査をした。学校教育カリキュラムにおける新住民の母語教育の導入は、台湾の経済戦略にとって有益な一方で、新住民の台湾アイデンティティの構築にネガティブな影響も及ぼしていることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象地域の移民問題や成人学習の課題等について聞き取り調査を通して明らかにした。 ただし、調査のタイミングによって、成果をまとめて学会や研究会において情報発信や意見交換ができなかったことは、今後改善すべき点だと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した文献調査と聞き取り調査をもとに、学会発表と論文執筆に積極的に取り組む。 また、最終年度であるため、これまでの調査成果を取りまとめ、総合的に政策的提言を行い、労働者の職業教育について地域と福祉の側面からの意義を照らし出し、労働、福祉と教育を融合する新たな社会教育・成人教育学理論を構築を試みる。
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