研究課題/領域番号 |
19K14059
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上森 さくら 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (30623409)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 溝上泰子 / 主体 / 当事者 / 生活論 / 関係性 / 生活と教育 / 当事者性 / 生活指導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、社会的弱者の位置に置かれる子どもも含めた全ての子どもが、自身の自己実現のために必要な社会を構想しながら、人間関係を構築しつつ社会へ参画するための指導モデルを溝上泰子の教育論を手掛かりに探る。そのため、①溝上泰子が交流してきた「底辺」や「女」としての生活者の実態がどのように溝上の生活論に反映しているのかを明らかにし、その上で、②特に溝上の個人と集団の関係性の捉え方がどのように教育論に反映しているのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
溝上泰子の生活論と教育論に着目して、自己実現に資する社会参画や人間関係の指導の在り方を把握するために、教育方法学における「当事者性」の概念を整理し、溝上泰子の教育論における「主体」概念を整理した。 その結果、溝上の教育論には「本質論的な主体概念」と「未来の軸にある未到達の主体概念」の2種の主体概念の表出傾向があり、「未来の軸にある未到達の主体概念」に基づいた学びの場をつくろうとした溝上の生活論/教育論を研究することが、「当事者になる」自己決定を促す関係性の研究に有用であったことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
溝上の教育論には「未来の軸にある未到達の主体概念」が確認された。これは禅哲学の影響を受けたもので、西洋哲学における「主体」概念とは異なるものであった。その上で溝上は、本概念を用いながら、自身の無限の可能性を自覚し、実現する行動を指導する方法を模索し、社会参画と人間関係の側面から生活環境の分析を行い、閉ざされた環境の枠組みを分析できるよう場づくりする方法論を提出していたことが明らかとなった。
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