研究課題/領域番号 |
19K14070
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
大谷 杏 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (50760576)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | フィンランド / 成人教育センター / 市民カレッジ / 講座 / リベラル成人教育 / 生涯学習施設の運営 / スウェーデン語 / 地方都市 / トゥルク / ヘルシンキ / タンペレ / ユヴァスキュラ / ヨエンスー / ラハティ / 講座分析 / 新型コロナウイルス / オンライン / 成人教育 / 生涯学習 / カリキュラム / 職業学校 / ロヴァニエミ / 教育機関 / 移民 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、我が国では、技術の高度化、社会の高齢化、学籍社会から資格社会へのシフトにより生涯学習の必要性が認識され始めているが、成人の生涯学習参加率は僅か25%に留まっている。その数字には、社会システムや国民性だけでなく、各教育機関のサービス提供内容・方法も大いに関わっている。生涯学習において配慮すべきは、年齢、価値観、文化的背景の異なる様々な人たちに学習の場を提供するという点であり、日本の生涯学習においても今後このような視点がより一層重要になってくると考えられる。本研究では、生涯学習参加率66%を誇るフィンランドの生涯学習機関(成人教育センター)に焦点を当て、その高い学習参加率の要因を探る。
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研究成果の概要 |
フィンランド国内8都市13カ所の成人教育センター(市民カレッジ)等への現地調査を通し、同国の生涯学習への参加率の向上に寄与する要因として見出したのは次の5点である。1.本部校舎の他、学校などの様々な既存の施設が講座の開講場所として設定されている点、2.平日の夕方以降に開講される講座が多い点、3.ひとつの大都市に大きなカレッジが1つか2つあり、1つのカレッジが無数の講座を設けている点、 4.新型コロナウイルス蔓延の影響を受けて、オンライン化が進み、国内の他地域や海外からの受講生も受けて入れ、収束後も一部のオンライン講座が継続されている点、5.講座の受講料が比較的安価に抑えられている点である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フィンランドは日本と同時期に多文化化や高齢化を経験してきたことから、同国の事例を参考にすることは、今後の日本の公共の生涯学習機関のあり方について検討していく上でも有益である。とりわけ、成人のための生涯学習機関の運営側が工夫できる点として、学習者のアクセスに配慮した既存施設の活用や開講場所の設置、仕事を持つ世代でも通いやすい開講曜日や開講時刻の設定、受講システムの分かりやすさに配慮した情報提供の仕方、積極的なオンライン化の導入と継続的な利用などは、今後、首都圏と地方における生涯学習機会の地域格差の解消や設置講座に様々な世代の学習者を集める上で重要なことであると考えられる。
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