研究課題/領域番号 |
19K14073
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
金井 里弥 仙台大学, 体育学部, 准教授 (10734840)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 宗教理解 / 市民性教育 / 宗教教育 / シンガポール / シチズンシップ教育 / 宗教間理解 / 多文化教育 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における市民性教育としての宗教教育は、どのような知識および能力を身に着けさせることが目指されており、それが学校現場(主に教員)においてどのように受け止められ、どのような教育内容として具体化されているのか。そこから見えてくる我が国の政策的課題および実践的課題とはいかなるものなのかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、日本とシンガポールの初等・中等教育における宗教教育の在り方について、その歴史的変容を明らかにした。 シンガポールについては、独立後から国民のアイデンティティ統制を強化するに至った1980年代と、シチズンシップ教育としての宗教教育が重視され始めた1990年代以降という二つの時代区分のもとで、それぞれの時期において宗教および宗教教育に求められた役割、宗教教育が重視された背景、その具体的教育内容の変容について明らかにした。特に、1980年代に導入された「宗教知識科」(Religious Knowledge)と、その廃止に伴って1990年代に新たに導入された「市民・道徳教育」(Civics and Moral Education)、2000年以降の全人教育の見直しにより「市民・道徳教育」に代わって導入された「人格・市民性教育」(Character and Citizenship Education)のそれぞれの導入背景とその具体的な内容を検証することで、教育内容の歴史的変容を明らかにすることができた。 日本については、戦前、戦後から2006年の教育基本法改正まで、教育基本法改正以降という三つの時代区分のもとで、それぞれの時期において特に公立学校において求められた宗教教育の在り方とその背景、そしてその教育内容の変容について、主に各種会議における議論、学習指導案、教科書の分析をもとに検証した。特に、教育基本法改正論議において、「宗教に関する一般的教養」を尊重するに至った経緯や論理を紐解くことで、現在の日本における宗教教育に見いだされる問題点と今後の課題を浮き彫りにすることが出来た。 また、両国の宗教教育の歴史的変容を比較することで、これまで大きく三つに分類されてきた宗教教育、すなわち「宗派教育」、「宗教的情操教育」、「宗教知識教育」という分類には収まらない、新たな宗教教育が求められることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で十分に進められていなかったインタビュー調査を2022年度に実施する予定であったが、諸事情により実施することが出来なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査の実施も含めて、これまで実施できなかった調査を2023年度には実施する。また、分析を終えることができていない過去の教科書についても、2023年度にはすべて分析を終わらせる。そして、これまでの本研究の成果を論文としてまとめる。
|