研究課題/領域番号 |
19K14079
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 大阪青山大学 |
研究代表者 |
田岡 昌大 大阪青山大学, 健康科学部, 准教授 (90804758)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 教育科学 / 戦後教育学 / 城戸幡太郎 / 教育実践 / ヒューマニズム / 生活 / 生活道徳 |
研究開始時の研究の概要 |
より良い教育実践のために、科学的な根拠に基づいて技術を用いることが有用であるとしても、教育者の自律的な思考や主体性を欠くこともまたできない。だとすれば、科学性と教育者の自律性の関係は、いかにあるべきものなのだろうか。 本研究では、この古くて新しい論点を教育思想史的観点から改めて検討を行うものである。その際の検討の軸としては、城戸幡太郎の戦後期の思想を対象とする。特に心理学と教育学の関係に関する城戸の思想を軸に、さらにより広く戦後思想との関係から捉え直すことで、その意義と限界を明らかにする。それと共に、教育実践を基礎づける科学性と自律性・主体性の両者のあるべき関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、教育実践における教育者の自律性や主体性と科学性の関係の検討を目的とするものである。よりよい教育実践のためには科学が不可欠である。しかし、実践者自身の自律性も重要である。本研究では、この論点に対して、城戸幡太郎の教育思想研究を主な方法として取り組んだ。まず、戦後期の城戸幡太郎の「ヒューマニズム」が、教育研究ならびに教育実践を基礎づける概念であることを明らかにした。次に、その「ヒューマニズム」は、心理学との関係の中で強調されていたことを明らかにした。そして、「立場」「生活」といった概念が自律性と科学性の関係においてキーワードとなることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、次の点に要約することができる。1つには、教育実践における自律性と科学性のあるべき関係という論点を教育思想史上の文脈に位置付けた点である。2つには、その際の方法として取り組んだ城戸幡太郎の教育思想研究において、戦後期の城戸の教育思想研究という新たな視点を示したことである。3つには、教育心理学や他の教育思想との比較を通じて、自律性と科学性との「調和」を志向する上で「ヒューマニズム」「生活」といった諸概念が重要な位置にあることを明らかにしたことである。
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