研究課題/領域番号 |
19K14087
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 育英大学 (2021) 筑波大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
田中 怜 育英大学, 教育学部, 講師 (30835492)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ドイツ教授学 / 多視点的授業 / 学校論 / コンピテンシー / 演劇論 / 事象科 / 教材開発 / カリキュラム開発 / 授業実践 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、社会の複雑性を演出する多視点的授業(Mehrperspektivischer Unterricht)の原理と方法を明らかにすることである。 近年知識を実生活で活用する「新しい学力」が求められている。ただし知識の「活用」だけでは、複雑な生活現実を授業で十分に対象化できない。この問題に対し、本研究はドイツで開発された多視点的授業に着目し、社会の複雑性を演出する授業のあり方を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、「活用」型の授業モデルを克服するために、西ドイツにおいて取り組まれた「多視点的授業(Mehrperspektivischer Unterricht: MPU)」に着目し、それが試みた授業における複雑性の演出方法を解明することを目的とした。 この目的を達成するために、本研究ではドイツにおけるMPUの一次資料の収集やインタビュー調査などを実施した。 これにより本研究は、MPUの授業づくりや教材づくりの理論的基礎と具体的実践事例を解明するに至った。特に、それが「演劇」のメタファーを授業づくりの根幹に据えることで、現実の複雑性を授業で再提示することを基本的特徴としていることを実証するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、目下のところ隆盛を博している授業における「活用」志向の限界と、それに代わるオルタナティブな授業づくりとしてMPUに着目し、社会の複雑性を授業の中で演出する理論的な基盤と具体的な方法を解明した。こうした本研究の成果は、学校の中で教え学ばれる知識や技能を学校外の文脈でも使用可能にする(ことができる)という、「活用」志向の授業改革の前提を問い直すものであり、教育方法をめぐる議論に新たな視点を投じるものであろうといえる。また「活用」志向の限界の先に、社会の複雑性を演出するための授業モデルや教材の具体を示すことで、MPUを学校において実践するための参照先を提供することができた。
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