研究課題/領域番号 |
19K14092
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 宮城大学 (2021-2022) 奈良教育大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
後藤 篤 宮城大学, 看護学群, 准教授 (60815786)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 教育と福祉 / 復興と教育 / 生活指導 / 生活綴方 / 郷土教育 / 昭和三陸地震津波 / 教育の社会史 / 昭和三陸地震 / 教育実践史 / 教育学 / 地域社会 / 教育史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、昭和三陸地震(1933.3)後の岩手県気仙郡を対象に、津波被災地の人びとの生活現実に直面した小学校教師たちの教育活動(生活指導実践)の意義について、行政の論理/地域社会の変容/教育の論理という三つの研究視角から捉えようとするものである。具体的には、国及び岩手県行政の復興政策とそれに伴う地域社会の変容を視野に入れるべく、岩手県の行政資料及び統計資料を分析するとともに、それらの成果をふまえながら学校資料や学級文集、教師の教育記録等を検討していく。 以上の研究を通じて、東日本大震災後の日本社会における「教育と福祉」の連携という課題に対して、歴史的視座からの参画を試みたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、東日本大震災後の「教育と福祉」の連携という課題を歴史的に検討すべく、「昭和三陸地震」(昭和8年3月3日未明発生)で甚大な被害を受けた岩手県気仙郡における小学校教師たちの教育活動(生活指導実践)を跡付けるものであった。「昭和三陸地震」後の岩手県気仙郡では、行政における「復興」の論理と地域社会における「復興」の論理が交錯していた。このような状況のなかで展開した小学校教師たちの生活指導実践が、経済的困窮への対応のみならず、共同性・社会的なつながりの再構築という課題へとアプローチしていく過程を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代日本社会において、子どもの貧困に対する教育的配慮や、児童虐待などを背景に心的外傷を抱えた子どもへの具体的な支援のあり方が課題となっており、「教育と福祉」の連携が求められている。こうした現代的状況を視野に入れ、本研究では「昭和三陸地震」の津波被災地である岩手県気仙郡を対象とし、困窮する地域社会と学校における子どもの保護(ケア)を目的とする教育活動の一端を明らかにした。本研究は、学校を通じた子どもの生存・生活保障の可能性と限界を議論するための基盤となる、新たな研究を展望するものである。
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