研究課題/領域番号 |
19K14099
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
山辺 恵理子 都留文科大学, 文学部, 准教授 (60612322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リフレクション / 哲学対話 / 論争問題 / ワークショップ / 教師教育 / プログラム開発 / 対話 / 教育の倫理 / 共生 / 批判的思考 / 道徳性 / 哲学教育 / オンライン教育 / 熟議 / 民主主義教育 |
研究開始時の研究の概要 |
個々の教師に対して論理的整合性と倫理的寛容性が両立する教育実践を実現させるために、教師教育者はどのような学術的基盤に立脚して教師の能力開発にあたり、社会からの期待に応えればよいのであろうか。本研究は、この問いを探究するために手法としての「リフレクション」と「哲学教育」の可能性に着目し、国際的に活躍する教師教育者に対して事例研究を実施する。異なる課題を抱えた各国の教育現場を前に、教師教育者は個々の教師の能力開発のためにどのように取り組んでいるか観察し、得られた一般的知見を日本の教員養成・教員研修の文脈に適用し、日本の教育実践に対する一連の含意を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
第一に、コルトハーヘンのリフレクション論に基づく、演劇の手法をも取り入れた教員養成課程向けのプログラム開発を行い、コロナ禍には同プログラムのオンライン化も実施した。第二に、哲学対話に関する海外視察やヒアリング調査を行い、その手法を取り入れたワークショップの開発を行った。例えば、映画 "Behind the Curve"を視聴し哲学対話を行なった上で、「真理とは何か」を映画監督のダニエル・クラーク氏と議論するハイブリッドのプログラム等を開発・実施した。第三に、訳本としてネル・ノディングスらの『批判的思考と道徳性を育む教室』(学文社、2023 年)を出版。その内容をもとにした研修も開発・実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した大まかに3種類に分けられるプログラム・ワークショップは、①自身の価値観の自覚と言語化を促すことで、自分とは異なるバックグラウンドや価値観を持つ人との対話を手助けする点、②「真実とは何か」「生/死とは何か」といった問いで普遍的な概念を改めて捉え直すことで、価値観の深い部分における他者との差異と共通性について対話することを促す点、③それぞれの人の価値観が社会的課題への立場の衝突にどのように関わっているのかに関する考察に繋がる点で、熟議を促す性質を持つものとなった。ノディングスらの『批判的思考と道徳性を育む教室』の出版と合わせて、熟議のための教育プログラムの具体例を示すことができた。
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