研究課題/領域番号 |
19K14103
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
金井 徹 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (00532087)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 戦後教育理念 / 教育基本法 / 民族共同体 / 個人 / 世界(人類) / 務台理作 / 森戸辰男 / 南原繁 / 三項図式 / 民族国家 / 世界 / 三項構造理論 / 丸山眞男 / 教育理念 / 戦後教育改革 / 国家観 / 戦後知識人 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦後改革期に戦後知識人達の間に広く共有され、戦後の新教育理念の一項目としても盛り込まれるべきものと考えられていた民族共同体という民族国家観はどのような論理構造を有したか、そして、その民族共同体の概念は戦前・戦後でどのように変容し、戦後日本の教育理念にどのように関連付けられ、教育における国家の在りようにどのような影響を及ぼしてきたかを明らかにしようとするものである。これまで多くの先行研究によって試みられてきた日本民族のイデオロギー性批判を踏まえ、戦後知識人の言説及び戦後の教育理念に関連する政策文書の分析を通して、民族共同体という国家観を前提とした教育理念の意義と限界を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、民族国家観が旧教育基本法の前文及び第一条を中心とする教育理念に組み込まれていることを明らかにした。ただし、その民族国家観は、個人、民族(国家あるいは国民)、世界あるいは人類という三項の相互の媒介関係を必須の前提としたものであった。旧教育基本法は、そうした思考枠組を前提として教育理念を捉えることで、個人の個性を排除せず世界に通じるものとして、民族国家を教育理念のなかに位置づけようとしたものと捉えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本の戦後教育理念に組み込まれた民族国家という思考枠組を明らかにした。それは、国際平和を希求する国民(=民族)国家という幻想のもとで教育理念を構想した多くの人々に共通する思考枠組であった。本研究の大きな成果の一つは、三項図式の思考枠組を抜きに、果たして国民国家における教育理念を構想し得るのかという根源的な問いの検討の必要性を提示したことである。また、そうした戦後教育理念の思考枠組が、個別具体的な教育法制にどのように影響したのかという分析へと進む基礎を築いた。
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