研究課題/領域番号 |
19K14109
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 (2021-2022) 早稲田大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
山本 桃子 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, アソシエイトフェロー (20779110)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 多文化共生 / ミュージアム / ワークショップ / 博物館教育 / Object-based learning / フィンランド / アイデンティティ / ウェルビーイング / 学習プログラム / グローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
子どものミュージアム(博物館・美術館)での学びを「異文化間リテラシー」と「アイデンティティ形成」の視点から捉え、多文化共生社会に向けた文化的環境の教育機能についてフィンランドの事例から考察することが本研究の目的である。 同国では、2016年以降校外活動が推進され、多くの子どもたちがミュージアムのプログラムに参加している。本研究ではそのプログラムの内容を、学芸員へのインタビューによって質的に明らかにする。 多文化共生は外国人居住者が増加し続ける我が国にとっても極めて重要な教育課題である。本研究を通じて、社会におけるミュージアムの教育機能を再考し、より積極的な活用のための基礎研究としたい。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「子どもの異文化へのアクセス」に着目して多文化共生の観点から社会におけるミュージアムの役割を検証することである。そのため、オンラインで入手できる各館のパブリック・プログラム情報のみならず、どのような意図で該当プログラムをデザインしたのか、実施にあたりどんな困難・手ごたえがあったのかという運用過程を含めてミュージアムの取り組みを立体的に描き出すことを主眼としている。 新型コロナウイルスCOVID-19の影響で2年遅れとなっていた現地調査であるが、2022年10月に現地に赴き、フィンランド国立博物館をはじめ、国立アテニウム美術館、ヘルシンキ デザイン・ミュージアムの教育普及担当学芸員にインタビュー調査を行った。また、フィンランド国内の少数民族サーミに関する国立博物館シーダ(SIIDA)も訪問し、文化的多様性の啓発をどのように展示に落とし込んでいるのか、フィールドワークを行った。 フィンランドでの調査結果を交え、多文化共生を実現するためにミュージアムの展示やワークショップがどのように機能するかを現地の研究者とともに検討した。さらに、モノを用いた異文化理解学習の可能性について、国内外の博物館学研究者やアーティストと検討を重ね、研究ノートへの投稿やシンポジウムでの研究成果発表を行った。来年度の学会発表や論文化を視野に、インタビューデータや現地で調達した資料の整理を進め、成果報告のための基礎集計を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は学芸員へのインタビュー調査および空間デザインのフィールドワークによる質的データ分析を根幹としている。当初2020年に予定していたフィンランドへの現地調査が新型コロナウイルスCOVID-19の影響で大幅に遅れたものの、22年10月に渡航しヘルシンキを中心にフィールドワークを行った。23年度は研究最終年度のため、22年に収集したインタビューデータを分析し、国内外の学会発表やシンポジウム、学術誌への投稿を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
23年度の研究成果の報告に向けて、モノを用いたミュージアムでの学習(オブジェクト・ベースド・ラーニング)を研究している国内外の研究者へ助言を請いつつ、フィンランドの現地在住の研究者の見解も交えながらミュージアムにおける異文化理解プログラムについて広い視野で検討を進めていく。
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