研究課題/領域番号 |
19K14115
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 福島大学 (2021-2022) 西九州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
植田 啓嗣 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (60757326)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | タイの教育 / 少数民族の教育保障 / 多文化共生 / 多文化共生教育 / 教育機会の保障 / 民族的マイノリティ / 国民統合教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、タイの民族的マイノリティである山地民の教育機会保障と多文化共生教育の課題に関する研究である。 本研究では、山地民の教育機会保障の現状と課題を分析するとともに、次の2つの研究課題に取り組む。①山地民への教育保障が進む中で、山地民の子どもたちがいかなる民族文化・アイデンティティを保持しているのか、またその要因について複数の事例の比較を通して明らかにすること。②山地民の子どもたちとタイ族の子どもたちが、お互いの存在(人権意識)や文化をいかに承認・理解しているのかについて明らかにすること。タイでは「国民統合」(タイ化)を目的とした教育が行われてきた背景があり、多文化共生時代の展望を検討したい。
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研究成果の概要 |
本研究は、民族的マイノリティである山地民の教育保障と多文化共生教育の課題に関する研究である。山地民への教育機会保障が進む中で、山地民の子どもたちがいかなる民族文化・アイデンティティを保持しているのか、またその要因について複数の事例を通して明らかにしてきた。一般学校、福祉学校、仏教学校での調査・分析の結果、それぞれの学校で山地民の言語・文化に関する教育はほとんど行われていないものの、山地民の子どもたちは、自分たちの言語や文化を維持しており、民族的アイデンティティとナショナルアイデンティティを併せ持つことがわかった。一方で、タイ族側の山地民への理解に対する研究は十分できずに課題が残った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、山地民の教育機会保障だけでなく、多文化主義の観点から山地民の子どもたちの言語、文化、アイデンティティについて調査・分析している。また、一般の国立学校だけではなく、福祉学校や仏教学校といった山地民の子どもたちの多くがアクセスする学校も含めて調査していることから、タイにおける少数民族の教育機会保障の問題と多文化共生の問題について総合的に分析している点で成果が見られる。本研究では、山地民の多文化共生を進めるためには、山地民の教育参加が重要であることを指摘している。これは、タイだけではなく、我が国の教育においても共通する課題であり、タイの研究結果は我が国の教育の在り方を再考するのにも役立つ。
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