研究課題/領域番号 |
19K14121
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 群馬大学 (2022-2023) お茶の水女子大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
MATSUDA DEREK 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 講師 (90817272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ルーツからルートへ / 文化的アイデンティティ / ハイブリッドアイデンティティ / 日系ラテンアメリカ人 / トランスナショナリズム / 在米日系ペルー / ルーツからルート / 日系ペルー人 / 多文化教育 / トランスナショナルな移動 / ルーツとルート / 文化変容 / 外国人児童生徒 / 教育支援 / 移民 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の公教育を受けた外国人児童生徒とその家族の体験や考え方を分析することにより日本の公教育と「移動」する子ども達の文化変容の関連性の実態を探る。このような文化変容に関し、肯定的に捉えて日本に現在も在住している者と様々な要因により帰国あるいは第三国に移動した者も含め、「帰国」した子どもたちの声も本研究に反映できるようにする。本研究の前提として、多文化教育理論に基づいた児童生徒のルーツとルートの関係性について吟味した上で彼らのアイデンティティの変容に着目する。子どもたちの文化変容について把握することで、文化適応のための支援を必要とする子どもたちの新たな支援のあり方を考え、政策・施策の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は当初、教育コミュニティの創造を目的に現在の移動する人々を対象に質的調査を実施することを目的としていた。コロナ禍において、質的調査の実施が難しくなり、同じく移動する人々として、第二次世界大戦中にペルーから米国に強制連行された日系人に焦点を当て、彼らのルートをたどるとともにどのような文化的アイデンティティを構築したのかを探ることとした。そのなかで、どのような教育戦略をもって今に至ったのかを調べ、彼らがたどってきたルートによって新たな教育コミュニティの創造の解明に取り組んだ。 2019年度からの研究において、日系ラテンアメリカ人は意識的、あるいは無意識に家族単位での教育戦略をとり、子どもたちの英語教育、そして日系アメリカ人社会において適応していけるように日系アメリカ人コミュニティとの活動を共にしてきたことがわかった。その結果、彼らはアメリカ社会において「日系アメリカ人」として位置付けられ、それぞれのルートを進んでいったことが分かった。 本研究の最終年度である2023年度において、これらの研究成果について教育戦略とコミュニティ形成の両方の観点から日系ラテンアメリカ人を捉え、異文化間教育学会、そして日本比較教育学会において発表した。また、8月には再び米国を訪れ調査協力者に会い、研究の成果について共有し、ミネソタ大学において日系人研究をする研究者と交流をした。日系人のディアスポラについて、エスニシティより広い観点から領域横断的な形で研究をしていく可能性を話し合い、今後も協力し合うことで合意した。異文化間教育学会、日本比較教育学会で発表した内容について論文にまとめ、上智大学のイベロアメリカ研究所のイベロアメリカ研究に査読付きで論文投稿をした。 今後も本研究を日系ラテンアメリカ人第三世代、第四世代にも焦点を当てながら、彼らのアイデンティティ形成とコミュニティ形成の観点からみていきたい。
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