研究課題/領域番号 |
19K14124
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
|
研究機関 | 東洋大学 (2021-2022) 東京農工大学 (2020) 独立行政法人国際協力機構(研究所) (2019) |
研究代表者 |
金子 聖子 東洋大学, 国際学部, 准教授 (50738903)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 国際留学生移動 / 高等教育 / トランスナショナル移民 / 社会的ネットワーク / 学位取得型留学 / ライフストーリー・インタビュー / マレーシア / バングラデシュ / 移民 / 頭脳循環 / 国際移民 / 国際移民システム / 後発開発途上国 |
研究開始時の研究の概要 |
国際留学生移動が日常的に行われ、留学目的と就労目的の移動の境界が曖昧になる中、留学生受入国・送出し国双方の文脈に即した研究が不足している。留学生移動と国際労働移動の研究も十分に関連付けられていない。本研究では、新興の留学生受け入れ国であるマレーシアに焦点を当て、送り出しトップ国であるバングラデシュからの留学生移動のマクロな視点を、経済政治社会情勢や高等教育事情等から明らかにする。また移民個人の経験というミクロな視点を、元留学生や関係者へのライフストーリー・インタビューにて明らかにする。両者を架橋する「国際移民システム」を、後発開発途上国から新興国への留学生移動に着目してモデル化する。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、新興国マレーシアの留学生による「国際移民システム」の構築に着目して国際留学生移動を分析することである。開発研究において移民のホスト社会への統合は出身社会とのつながりの喪失を意味し、移民による開発への貢献は帰還によってのみ実現すると考えられてきた。本研究では、元留学生が築く社会的ネットワークが、出身国にとって外部資源へのアクセス増加に寄与し得ることを示した。また国際移民システムの多角的な検証のため先進国から新興国への人の移動にも着目し、二重の「複合社会」のもたらす肯定的な側面を国際留学生移動の新たなパラダイムとして提示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「周辺」と見なされた国の高等教育機関が、同じく「周辺」の国から多数の留学生を受け入れ、定着させることによって出身国の開発を促進する側面があること、また「中心」的な国から「周辺」的な国への留学生受け入れによって、二重の「複合社会」が肯定的な側面をもたらし得ることを、国際留学生移動の新たなパラダイムとして提示した。 また社会的意義として、国際教育の促進は、社会背景が異なるとはいえ、日本等の非英語圏にとっても参考になる上、今後マレーシアのような国が、日本人高校生・大学生の留学先という意味と同時に、留学生受け入れ国日本の競合相手という意味でも、新たな選択肢として浮上してくる可能性が示唆される。
|