研究課題/領域番号 |
19K14127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 畿央大学 (2020) 広島大学 (2019) |
研究代表者 |
関口 洋平 畿央大学, 教育学部, 講師 (90753640)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ベトナム / 高等教育 / 私塾大学 / 正統性 / 民営高等教育 / 体制移行 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、市場化の過程でダイナミックな高等教育改革を進めているベトナムに焦点をあて、企業的特徴をもつ新たな民営大学である私塾大学の社会との関連性とその実態について検討することで、社会主義国ベトナムにおいて私塾大学が正統性を獲得しようとするメカニズムを実証的に明らかにすることを目的とする。本研究では、私塾大学を受容するベトナム社会の変容について検討するとともに、正統性の獲得に向けた私塾大学の実態について教育研究活動の内容や学生の社会的属性、就職状況など多角的に考察する。それをふまえ、類似の国家体制を採る中国の民営高等教育システムと比較検討することで、ベトナムの民営高等教育発展モデルを構築する。
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研究成果の概要 |
本研究は、急激に市場化が進んでいるベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)に焦点をあて、企業的特徴をもつ新たな民営大学である私塾大学の社会との関連性とその運営実態について検討することで、社会主義ベトナムにおいて私塾大学が正統性を獲得しようとするメカニズムを実証的に明らかにするものである。研究の成果としては主として、政府文書の分析と、企業設置型大学であるFPT大学及び民立大学から類型転換した私塾大学であるタンロン大学での質問紙調査を通じて、私塾大学の管理運営体制の制度的変遷並びに私塾大学の正統性をめぐる社会受容のありようについて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、ベトナム高等教育に関する研究は主として制度的側面に着目しており、そこでは学生の意識や「声」に配慮するというような高等教育の受容者の実態に関する視点が欠如していた。本研究では、私塾大学の正統性と社会受容という観点から、首都ハノイの主要な私塾大学を対象に学生の就学実態を分析することで、企業設置型の私塾大学は市場に親和的な大学としてベトナム社会に受容されているとともに、民族的多数派のキン族を中心に富裕層の子弟がより多く就学している実態を明らかにした。民営高等教育の実態に切り込み、民族間における高等教育格差の存在を示唆した点に本研究の学術的意義が認められる。
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