研究課題/領域番号 |
19K14135
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | LEC東京リーガルマインド大学院大学 |
研究代表者 |
劉 昊 LEC東京リーガルマインド大学院大学, 高度専門職研究科, 准教授 (80808220)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ニューカマー / 在日中国人 / 進路選択 / 国家間移動 / 地域移動 / 中国系ニューカマー / 移民第2世代 / 進路意識 / 中国系移民第2世代 / エスニック・ビジネス事業所 / オートエスノグラフィー / 当事者研究 / 進路形成 / 育ちの場 / 伝統的規範 / 将来展望 / 大学進学 / 中国系ニューカマー第2世代 |
研究開始時の研究の概要 |
ニューカマーの増加から約30年経過し、第2世代が複数国家にわたって形成するトランスナショナルな進路が注目されている。従来の研究では学校経験や親の教育戦略との関連からかれらが国家間移動をする「移動の論理」が論じられてきた。一方、日本国内における地域移動とニューカマーの進路を関連づけた研究はなされていない。トランスナショナルな進路形成を全員が選択できない点を考慮すると、かれらの進路意識を解明するには、地域移動に対する意味づけにも着目することが欠かせない。そこで本研究では、中国系を事例に、ニューカマー青年の進路意識を日本国内における地域移動と日中間の国家間移動に着目して描き出すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、中国系を事例に、ニューカマー青年の進路意識を日本国内における地域移動と日中間の国家間移動に着目して考察することであった。本研究では、中国系ニューカマー第2世代20名に対してライフストーリーの聞き取り調査を行った。 その結果、親の伝統的規範意識によって、家から「脱出」するように地域移動を伴う進路選択をした対象者の姿が明らかになった。また、日本国内における地域移動を伴う大学進学をした者の大学での学びを考察した結果、進学先におけるルーツ観光や留学などの経験が、将来展望に対する対象者の語り直しを可能にしていた点が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究最大の成果は、従来論じられなかった地域移動に対する当事者の意味づけ明らかにしている点である。先行研究では、国家間移動をともなうトランスナショナルな進路形成の多様性が論じられてきた。しかし、全ての者がそうした進路を形成しない/できない点を考えると、日本国内での移動にも目を向ける必要がある。新型コロナウィルスの流行により、想定していた調査を十分行うことができなかったものの、国家間移動だけでもなく、また地域移動だけでもない、より複合的なニューカマーの進路意識を検討したことよって、先行研究の空白を一定程度埋めることができたと考える。
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