研究課題/領域番号 |
19K14138
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
|
研究機関 | 中京大学 (2020-2023) 大阪成蹊大学 (2019) |
研究代表者 |
芝野 淳一 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (10758577)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 在外教育施設派遣教員 / 帰国教員 / 教育実践 / 教育観 / 混合研究法 / 多重対応分析 / インタビュー / 越境性 / 日本人学校 / 教職経験 / 派遣教員 / 在外教育施設 / 教育スタイル / 日本人学校・補習授業校 / 教職観 / 国際移動 / トランスナショナリズム / 帰国教員の活用 / グローバル教員 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、グローバル化する日本の学校現場で生じる問題の解決に向けて、在外教育施設から帰国した派遣教員の活用が推進されている。しかし、帰国教員がどのような特性を有しているのかについて十分に検討されているとは言い難い。これを踏まえ、本研究は、帰国教員の特性について、かれらの越境的な教職経験と教職観の関係に着目しつつ検討するものである。具体的には、①帰国した派遣教員の教職経験及び教職観の量的把握、②教職観の構築過程の質的解明という2つのトピックを設定し、それぞれについて質問紙調査及びインタビュー調査により明らかにする。これらを通じて、帰国した派遣教員の活用のあり方を提示することが目的である。
|
研究成果の概要 |
本研究は、在外教育施設から帰国した派遣教員(=帰国教員)が、日本の学校現場において、自身の赴任経験をどのように活用しているのかを明らかにすることを目的とした。アンケート調査とインタビュー調査を組み合わせた混合研究法を用いて帰国教員の教育実践を分析した結果、次の2つの知見が見出された。第一に、帰国教員は日本と海外を行き来する中で多様な背景をもつ子どもや現場と出会い、その経験を異なる背景をもつ子どもや現場に役立てていた。第二に、こうした個々の教員がもつ創造性や応用力の発揮を規定する構造的問題(学校現場の閉鎖性や多忙化の問題など)が明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで海外子女教育研究において見逃されてきた派遣教員の帰国後の動向を詳細に明らかにした。特に、帰国教員の創造性やそれを規定する構造的問題は、教師研究や学校研究にも応用可能な知見であり、学術的意義を有しているといえる。また、教員の教職経験を量的調査と質的調査の両方を駆使して解明した本研究は、教育研究における方法論的発展にも寄与するものである。さらに、本研究の実証的な知見は、帰国教員の活用をめぐる政策的議論に対して、また学校現場における帰国教員の登用を考える際に、重要なヒントとなり得る。この点で、本研究は社会的意義も有している。
|