研究課題/領域番号 |
19K14162
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
井岡 瑞日 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 准教授 (20836449)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 月刊保育絵本 / 『ひかりのくに』 / 『保育』 / 豊田次雄 / 絵本観 / 子ども観 / 保育 / 家庭教育 / 絵本 / 幼児童謡 / 幼児童話 / 童謡 / 保育絵本 / ひかりのくに / 母親 / 子どもの文化 / 社会関係 / 教育観 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二次世界大戦後、保育絵本がその普及過程においてどのように意味づけられ、活用されたのかを明らかにするものである。保育絵本は、幼稚園や保育所へ直販されることが多かったがゆえに、つくり手や売り手、保育者、母親などの多様な期待や思惑をうつし出し、またそれらを伝達する役目を担いながら、出版社から保育現場へ、そして家庭へと受容された。本研究では、こうした様々な立場の大人たちが保育絵本やその主たるよみ手である子どもにどのような眼差しを注ぎ、また保育絵本をめぐっていかなる相関関係を築いたのかを探る。このことにより、絵本が保育や教育の場で今日ほどに重要視されるようになる歴史的経緯を詳らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究は月刊保育絵本『ひかりのくに』(1946-)に焦点を当て、絵本の保育への導入が進む1950年代~1960年代の状況を分析した。その上で、月刊保育絵本の特徴である幼稚園等への直販システムのもとでどのような社会関係が築かれ、またそのなかでどのような絵本観や子ども観が示されたのかについて検討した。結果として、『ひかりのくに』が第二次世界大戦直後に創刊され、保育の現場や家庭へ普及していった前史と背景や、母親向けの別冊付録や専門誌『保育』等を通じて、幼児期における絵本の重要性をくりかえし説き、家庭や幼稚園等での絵本の取り扱いを説明し、幼児の教育に活用するよう促した経緯が明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
以下の2点が挙げられる。1つ目は、月刊保育絵本が幼稚園や保育所への直販システムのもとで普及することに着目し、絵本と子どもに対する様々な立場の人々の関与や相互の関係性を研究の俎上に載せたことである。このことによって、月刊保育絵本の研究が絵本史のみならず教育史や子ども史の解明にも有効であることを示した。2つ目は、『ひかりのくに』を扱うことで、まだ蓄積が十分でない戦後の月刊保育絵本の研究に貢献したことである。1960年代にかけての相次ぐ創刊や復刊は、園や家庭における絵本の普及を後押しし、保育者や保護者への絵本観に変化を促したことを明らかにすることができた。
|