研究課題/領域番号 |
19K14168
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 島根県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
菊野 雄一郎 島根県立大学短期大学部, 保育学科, 准教授 (10754723)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 発達 / ASD / Biological Motion / 眼球運動測定 / 唾液中ホルモン / ASD児 / 唾液中ホルモン分析 / コホート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、乳児を対象にASDに特徴的な社会的認知機能障害を反映する触覚的社会刺激(Gentle touch) に対する唾液中ホルモン(主にオキシトシン)濃度変化と、ASD傾向を反映するとされる既存の行動指標(Biological motionに対する注視パターン)に着目し、これらの関連性を横断的に分析することで、ASDの生理学的基盤を明らかにする。さらに、前向きコホート研究(ASD発症前の調査)を行うことで、上述した2種の客観的指標の発達的変化像とASDの関連性を検証し、ASDの疾病機序を明らかにすると共に、客観的指標による画期的な早期診断方法の開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム障害(Autistic Spectrum Disorders:ASD)の有病率は1%(U.S.Centers for Disease Control and Prevention, 2006)とも言われ、その疾病機序の解明及び早期発見は我が国でも喫緊の課題である。特にASDの早期発見は、ASD児本人への適切な支援という観点からも極めて重要な問題である。さらに、ASDの早期発見は、的確な情報周知による二次障害防止にもつながる。我が国では現在、養育者への聞き取り調査に基づく質問紙調査が主流であり、実施による一定の効果があげられている。しかし、質問紙による診断は、①主観的判断基準の影響を受けやすく、②診断可能な月齢が遅い、という問題が挙げられる。したがって、より①客観的かつ②早期に実施可能な診断方法の確立が急務である。以上の研究背景をもとに本研究では、客観的指標の候補として考えられるBiological Motionに対する注視パターンとASDの関連を明らかにすることを目的とした。研究では、選好注視法を用いた心理学実験により、Biological Motionに対する注視パターンを測定した。また、既存の質問紙法によるASD指標の測定を行った。本研究の結果、倒立及び正立のBiological Motionに対する視線パターン(注視時間等)に有意差は見られなかった。一方、質問紙により算出された自閉症スペクトラム障害・二次障害・他の発達障害の合併スコアと視線パターンの相関分析の結果、12名サンプルの時点では相関の傾向が見られている。引き続き追加データ収集及び解析を行い、ASDと視線パターンの関連性を明らかにすることを予定している。
|