研究課題/領域番号 |
19K14174
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
島田 浩二 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 特別研究員 (00711128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 教育 / 子育て / 保育 / 社会脳 / 文化進化 / 社会神経科学 / 養育 / fMRI / 脳イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の目的は、大人から子どもへの教育行動が、学習者としての子どもの知識表象の獲得の支援といった利他的側面を越えて、教育者の大人自身の知識表象の再帰的強化といった互恵的側面を持っているという仮説を、認知神経科学的アプローチにより検証することである。教育者の教育行動は学習者の模倣行動と同等に累積的な文化進化の維持・革新にとって重要な役割を担っているが、従来の理論的枠組みでは、自己に何らかのコストを負いながら他者に利益を与える利他的行動であるとされてきた。これまでの申請者研究や関連研究を統合しながら、本研究課題では教育能力の新たな機能的役割(可能性)を探究することを目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究課題の研究Aでは、教育行動それ自体を支える神経基盤の解明に取り組んだ。腹内側前頭前野が対子ども発話の産出に選択的に関与する神経基盤として重要な役割を担うことが示唆された。研究Bでは、教育行動による教育者自身に対する互恵的効果(再帰的強化)の心理学的実在性(及びその神経基盤)の解明に取り組んだ。対子ども発話時に記憶表象が選択的に強化され、本仮説が部分的に支持された。研究Cでは、教育行動のトレーニング効果の解明に取り組んだ。その直接的な効果が養育者の子育てのストレスやスタイルに認められ、その間接的な効果が子どもの行動面や認知面に認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
教育者の教育行動は、学習者の模倣行動と同等に累積的な文化進化の維持や革新にとって重要な役割を担っている。本研究課題では、大人(教育者側)から子ども(学習者側)への教育行動が、学習者に対する利他的側面を越えて、教育者の大人自身に対しても互恵的側面(再帰的強化)を持っているという仮説を部分的に支持するという結果が見出された。ヒトの教育能力の新たな機能的役割(可能性)の理解を深め、学術的かつ社会的に貢献するものといえる。
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