研究課題/領域番号 |
19K14175
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
岩渕 俊樹 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任講師 (20711518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 認知発達 / コホート研究 / 出生体重 / 実行機能 / 神経発達 / 脳画像研究 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では低出生体重児の増加が深刻な問題である。胎児期の発育が不十分であることは、小児期の認知や神経系の機能低下に関連することが指摘されている。また近年、母親がやせていることと出生体重の低下との関連も示されてきている。ここから、母親のやせが胎児期の発育不全につながり、のちの認知神経発達の問題を引き起こすのではないかと考えられる。しかしその神経的なメカニズムは明らかになっていない。本研究は、母親が妊娠前にやせであることと子どもの出生体重の関連を示し、さらにそれが神経系の異常を介して認知機能の問題につながるというモデルの検証を目指す。
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研究成果の概要 |
妊娠期の母のやせ、およびそれに伴う在胎週数に対して出生体重が小さいこと(small for gestational age: SGA)が、児の認知神経発達にどのような影響を及ぼすかの解明を目指し、大規模出生コホートのデータの活用により検討を行った。SGAは、神経発達マイルストーンの到達における遅れを部分的に媒介されて、幼児期の適応行動に影響していた。今後、コホート参加者の思春期における実行機能の評価を行い、母のやせ、SGA、および実行機能発達の関連を詳細に検討していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では低出生体重児の出生率の高さが大きな社会的問題である。低出生体重は母の妊娠前のやせにより増加するが、日本の若い女性にはやせ(body mass index: BMI 18.5未満)が多く、またやせに対する強い願望を持っていることが指摘される。これは胎生期の発育不全を介して、将来的な児の発達に影響する可能性が懸念される。本研究はSGAが幾つかの神経発達マイルストーンへの到達の遅れに関連し、これを介して適応行動の発達に影響することを示唆した。本結果は過度のやせ願望に対する警鐘を鳴らすものであり、今後は児の思春期の実行機能を詳細に評価することでより長期的なリスクの解明が期待できる。
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