研究課題/領域番号 |
19K14238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金 鍾成 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (90825837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 社会科教育 / 教師教育 / 国際理解教育 / 真正な対話 / 教科書 / ヒロシマ / デザインベースド・リサーチ / 相互理解 / 平和教育 / 相互理解教育 / 寛容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、他国の語りに開かれた教育観を育成する社会科教員養成のデザインベースド・リサーチである。具体的には、社会科教育指導法の授業のなかで、日本と他国の社会科教員志望学生がある社会的事象に対して互いが合意できる教科書をともにつくる「より良い教科書」プロジェクトを行うことで、参加者が他者の語りに開かれた教育観の育成に取り組む。また、「より良い教科書」プロジェクトに加え、デザイン原則や実際のデザイン・実施の過程を学術論文、ワークショップ、ホームページなどで共有することで、自らの文脈において他国の語りに開かれた教育観を育成しようとする他の教師教育者を支援する。
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研究成果の概要 |
他国の語りに開かれた教育観を育成する社会科教員養成のデザインベースド・リサーチである本研究の成果は以下の2点にまとめることができる。 ①相互理解の主体による実際の対話である「真正な対話(authentic communication)」の概念を整理し、その概念を実現するためのザイン原則を明らかにした。 ②「真正な対話」のデザイン原則にもとづき、日本と韓国の社会科教員志望学生による「より良いヒロシマ教科書」プロジェクトと日本と米国の子どもによる「より良いヒロシマ教科書」プロジェクトをデザイン・実施した。そのなかで、社会科教員志望学生と現職教員および子どもが何をどのように学んだかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自分がこれまで持っていた語りとは異なる他者の語りと出会った参加者らは、プロジェクトのなかで経験した認知的・感情的な負荷について告白した。しかしながら、その難しさにも関わらず、他者との出会いが社会を見る見方・考え方を広げたことはもちろん、社会の様々な他者とも対話していくことの重要性も同時に指摘した。社会的に構築された境界の下で幾重にも分断されてきた人々に話し合う機会を提供する真正な対話は、他者とともに生きる資質・能力・態度を育成することで、国内外を問わずより平和な世界の実現を目指す方法論として期待できる。
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