研究課題/領域番号 |
19K14251
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 信州大学 (2020-2022) 関西外国語大学 (2019) |
研究代表者 |
三和 秀平 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (70824952)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 教科 / 価値 / 変化 / 動機づけ / 教育 / 発達 |
研究開始時の研究の概要 |
小学生・中学生・高校生が各教科(国語,数学,理科,社会,英語)に対して抱く価値およびその形成に関わる要因について3つの研究を通して明らかにする。研究1では自由記述形式の質問紙調査を通して,研究2では面接調査を通して,子どもたちが教科に対して感じる価値およびその形成に関わる要因を整理する。研究3では本人,親,教師の要因に着目し,質問紙調査を通して価値の形成に関わる要因と実際に抱いている価値との関連を検討する。そして,研究1から研究3を通して子どもたちが抱く価値について明らかにし,価値を高めるための教育について考察していく。
|
研究実績の概要 |
急速に発展していく社会の中で,子どもたちが各教科(数学,国語,理科,社会,英語)に対してどのような価値を認知しているのか,またその認知に影響を与える要因はどのようなものなのかを課題価値の概念から検討することが本研究の目的である。2022年度は,前年度実施した研究の結果をまとめた論文が,教育心理学研究に採択された。この研究では,小学生から中学生を対象に調査を行い,年齢の上昇による各教科に対して感じる価値の変化や,教科間の相関関係の変化を明らかにした。加えて,前回の調査で扱った価値の側面以外の様々な価値の側面に注目しつつ,価値の変化を明らかにするために小学生から中学生を対象にweb調査を実施した。こちらのデータは現在分析を進めている。加えて,同時にデータを取得している保護者の考え方にかかわるデータについても分析を進めており,今後の発表に向けて準備中である。さらに,利用価値介入の考え方を援用した価値を高めるための介入を行い,その成果を日本教育心理学会にて発表した。発表した研究では,介入の効果は十分にみられなかったものの,学会でのディスカッションを通して,実施手続きの問題や調整要因の問題などについて,今後の研究への示唆を得ることができた。 また,補足的に大学生を対象に行った英語に対する考え方と学業成績に関するデータも分析をして,論文として投稿をした。その他,今まで行ってきた研究をまとめ,教育現場へ還元するための支援についても検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度同様コロナウイルスの影響でデータ収集に苦戦しているものの,オンラインでの調査によりある程度のデータを収集することができた。しかしながら,分析などが遅れている部分があるため,引き続き分析を進め,成果として発表していくことが望まれる。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度はデータの分析および論文の執筆,協力者および教育現場への還元を行う。分析では,実施済みのデータのうち,保護者や教師の考え方が子どもの価値に及ぼす要因についてはさらなる検討の余地があると思われる。また,子どものデータに関しては,多様な価値を踏まえた調査の必要性を感じたため,2023年度に再度データを収集して,検討する予定である。そして,これまで行ってきた研究をまとめ,教育実践につなげるための示唆を考えていく。特に,教科間の価値の関連について,メタ分析などを行い,知見の統合を目指していく。 また,分析の結果は学会での発表や論文としての発表を行っていく。論文としては,現在投稿中の論文について査読の対応を行う。また,新たに集めたデータをまとめて学会誌への投稿を目指す。加えて,知見を広めるために学会発表も積極的に行う。保護者と子どもの考えの関連やメタ分析の結果について,教育学系または心理学系の学会で発表する予定である。そして,他の研究者との交流を行い,知見をさらに深めていく。 最後に,得られた結果をまとめて子どもたちの動機づけを教師や保護者に理解してもらうためのフィードバックを行ったり,介入方法についての提案を行ったりする予定である。
|