研究課題/領域番号 |
19K14266
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 東北芸術工科大学 |
研究代表者 |
長峯 朱里 東北芸術工科大学, 文化財保存修復研究センター, 研究員 (70759042)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 文化財保存修復 / 文化財 / 大学教育 / 文化財保存教育 / 文化財保存 / 専門教育 / 文化財保存修復教育 / 修復技術 / 修復倫理 |
研究開始時の研究の概要 |
文化財の保存修復は理論と技術、どちらも理解した上での総合的な判断が要求される。しかし、日本の文化財保存修復教育では修復技術者に至る明確なプログラムは確立されていない。 本研究では日本における修復技術と修復理論に焦点を当て、日本の技術に呼応した理論を構築し、文化財保存修復教育のアプローチの確立を目的とする。 2019年度は①文化財修復技術と理論間・教育への国内・海外の比較と問題提示、②日本の修復技術を継承しつつ、倫理や科学的方法論を合わせた現代的理論の構築を行う予定である。 2020年度には③保存修復技術教育と倫理教育の構造枠組みを検討する。④実践的な教育の中でプログラムの実施と評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本の文化財保存修復の教育における理論と実践のギャップを埋める新しいアプローチの開発を目指した。日本の大学の授業科目をICOM-CCの倫理規程6項目に分類し、現状の授業体系をまとめた。次に、保存修復を学べる海外の大学を主な例に、海外の大学教育のプログラムや実践への取り組みを比較検討した。日本の教育は芸術と文明の歴史、保存修復の歴史と技術の授業が諸外国より少ないことが判明した。 以上の問題点を踏まえ、本研究では、文化財を歴史的・社会的文脈の中でより理解していくことが重要と論じていく。これらの理論は、日本の修復技術と倫理を補完し、より質の高い修復を行うための基盤となると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、日本の文化財保存修復教育の理論と実践のギャップを埋める新しいアプローチを開発しようとした点にある。まず、日本の大学のカリキュラムの現状を分析し、海外の大学教育のプログラムや実践への取り組みを比較検討し、日本の教育における不足部分を考察した。結果、、文化財を歴史的・社会的文脈の中で理解することの重要性を論じ理論を説いていくことが、日本の修復技術と倫理を補完し、より質の高い修復を行うための基盤となる可能性を示した。 本研究は、日本の文化財保存修復教育の質の向上に役立つと期待される。また、文化財の保存と修復の重要性に対する社会的認識を高めることにも役立つと期待される。
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