研究課題/領域番号 |
19K14269
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
大上 真礼 金沢学院大学, 文学部, 講師 (90807132)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 大学院生 / 若手研究者 / 精神的健康 / 学術論文 / 査読 / 進学動機 / 修士課程 / 博士課程 / メンタルヘルス / インタビュー / アカデミア / 大学院進学 / 大学院生観 / 研究者観 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,日本の大学院入学者数は減少し続けており,原因と対応策の解明は急務である。大学院生の実態は大学内外で関心を集めつつあるが,日本の先行研究は経済的事情や専門職養成のテーマに偏っており,彼ら自身の心理の調査や進学決定に関わる要因の検討は見当たらない。 本研究ではA)大学院生の心理的特徴や困難,B)世間一般では「大学院生」はどのようにイメージされているかを明らかにし,これらの比較をめざす。本研究で得られる基礎的知見は,大学院進学者が減少している要因の解明や大学院生のサポートの必要性の検討,そして学術研究とその従事者養成に関する社会的合意形成に寄与するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では,大学院生・若手研究者の心理的特徴や関連要因について調査し,整理した。大学院修士課程経験者へのインタビューでは,博士課程進学の際に「研究を生業とするか」の判断がなされている可能性を示した。心理学分野の主要学術誌のデータ整理では,ここ15年で原著論文が減少傾向にあることを見出した。オンライン調査では大学院経験の有無により精神的健康度が異なるかを探り,大学院経験者はうつの度合いは高かったものの人生に対する満足も高かったことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の大学院や学術研究をめぐる政策においては個人的経験に基づいた言説や議論が散見される上,文系を除く「科学」分野や,資格系分野に限定された調査・考察が少なくない。本研究では多分野の大学院生や大学院経験者を対象としたデータを収集し考察できた。本課題における各研究で整理された基礎的知見には,博士課程に進学しなかった者は研究自体から完全に身を引きたいと考えていたわけではないことや,大学院生の精神的健康度や卒業後の幸福度を単一の尺度で測りきれない可能性などが含まれる。これらは,日本の学術研究を担う者たちのサポートの必要性の議論や,学術政策に関する社会的合意形成の際に役立ちうるエビデンスだといえる。
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