研究課題/領域番号 |
19K14285
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 知加 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 助教 (30581558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 集団活動 / 友人関係 / コミュニケーション / 集団形成 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; ASD)児は対人的コミュニケーションに困難を抱えるが、学校の休憩時間や授業中、集団療育など、同年代との人間関係を多く経験する。ASD児が経験する人間関係の現状を捉え、必要な支援を明らかにすることが求められる。本研究では、加速度と対面情報のデータを得ることでコミュニケーションを可視化するシステムである『ビジネス顕微鏡』を用い、ASD児の仲間関係の形成過程に関する検証、知識伝授型学習と議論・協働型学習におけるASD児のコミュニケーションの検証、グループの成員がASD児のコミュニケーションに与える影響の検証を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究においては、自閉スペクトラム症児が集団参加する際の行動について検討することを目的としている。2023年度は、自閉スペクトラム症児(ASD)が仲間関係をどのように認知するのかに関する理論構築および調査研究を行った。 人は動きの同期する2者を観察したとき、その2者はより親密だと認知する。子どもにおいても同じ傾向が見られるが、ASD児では、定型発達児と比較し、親密性の認知の程度が弱いことが知られている。また、直接観察されてはいないが、動きが同期している場面を観察すると、そこに2者の共有意図を認知し、親密性判断に結びつく可能性も示唆されている。ASD児においては、同期する2者を観察した場合に共有意図を認知することが少ないのではないかと仮説を立てた。2023年度は、仮説検証のため、定型発達児における同期場面の観察と共有意図の認知、親密性を含めた友人関係の質の判断に関する調査を行った。また、ASD児対象の調査を実施するため、倫理委員会での審査を受けた。 また、集団でのASD児のソーシャルスキルトレーニングにおける変化の性差について検討を行い、The 11th Congress of The Asian Society for Child and Adolescent Psychiatryでポスター発表を行った。社会的スキル、問題行動、社会的コンピテンスをSST前後で測定し、性別を含んだMANOVAを実施した。介入の主効果(改善)がコミュニケーションスキル、外向的問題行動、問題行動総得点で見られた。性別と介入の交互作用が集団行動(男児で有意に改善)、内向的問題行動(非有意だが女児の平均値が改善)、社会的コンピテンスの自己価値(非有意だが女児の平均値が改善)で見られた。ASD女性は成人期において内的問題が多いことが指摘されており、学齢期におけるSSTが予防の役割を担う可能性を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた集団での調査の被験者が集まらず、調査内容を修正したため
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今後の研究の推進方策 |
集団での調査についても募集を継続するが、それと同時にASD児における仲間関係の認知に関する調査を実施する。2024年度前半でASD児のデータを収集、分析する。
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