研究課題/領域番号 |
19K14293
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石塚 祐香 筑波大学, 人間系, 特任助教 (40817574)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 言語発達 / 保護者 / 家庭 / 随伴模倣 / 発達支援 / 模倣 / 言語発達支援 / ICT / 保護者支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ICTを活用した家庭密着型の包括的な言語発達支援を構築し、自閉症児が言語を獲得する過程を総合的に明らかにすることを目的とする。まず言語獲得に関する評価研究では、多様な発達・行動データを縦断的に評価することで、言語発達の基軸を解明する。次にICTを活用した家庭密着型の支援研究では、支援群と統制群を比較し、発声・単語から句・文の表出へと階層性のある言語を獲得し、それらを日常場面の中で使用するための環境条件を検討する。最後に家庭密着型の言語発達支援の普及に関する質的研究では、保護者を対象としたフォーカスグループインタビューを行い、家庭密着型支援の開発・実証・普及に必要な要因を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、家庭密着型の言語発達支援を開発し、自閉スペクトラム症(ASD)児が言語を獲得する過程を総合的に明らかにすることを目的とした。初年度には、ASD児が発声から語および語から句・文の発話を促す支援方略を検討した。次年度及び最終年度には、開発された支援方略が、保護者により家庭で運用可能かを検証した。その結果、ASD児の発話に対して、大人が同じ発話及び語を拡張させた発話で応じること(随伴模倣・拡張随伴模倣)がASD児の発声から語および語から句・文の発話の促進に有効な支援方略であることが示された。さらに開発された支援方略は、保護者においても家庭で運用可能な手続きであることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉スペクトラム症(ASD)児に対する家庭密着型の包括的言語発達支援の開発と評価を行った。本研究は、ASD児の発声から語、語から 句・文の発話へと段階的な言語の獲得と社会的相互作用場面での使用への拡張を含めた包括的な言語の獲得・拡張を促す環境条件を明らかにした点に学術的意義がある。さらに本研究は、家庭という生活基盤の中で、ASD児の中核症状となる言語の発達に焦点を当て、保護者が家庭で適用可能な支援システムを構築した点に社会的意義がある。本研究により得られた成果は、多くのASD児が個々の言語発達段階に応じた支援を受けることができる環境を整備するために活かすことができる。
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