研究課題/領域番号 |
19K14294
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平林 ルミ 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (30726203)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 学習障害 / RTIモデル / 通常の学級 / 評価 / リテラシー / 読み書き困難 / 代替手段 / ICT活用 / 通常学級 / 書字困難 / インクルーシブ教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は2017年度にFILES(ファイルズ,Finding your Learning Style)モデルで取得した大規模データ(小中学校通常学級に在籍する子ども4184名)の追跡調査を行う。手書き解答よりも選択式解答で成績にプラスの影響があった子どもの特性を明らかにした上で,課題を再構成する。さらに書字に困難のある子どもが通常学級で自分の学び方で学ぶ際に必要な変更調整を具体的に検討する。
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研究成果の概要 |
学習上の困難を障害としてラベリングするのではなく教育的ニーズとして捉えるための具体的な評価手法としてFILES課題の再構成を行った。「漢字手書き問題」と「漢字選択問題」の難易度を調整した問題セットを開発、それを小学校で実施し、通常の学級に在籍する子どもの平均値と標準偏差のデータを得た。さらに,漢字課題と書字速度・タイピング速度との関連性を検討するために、 漢字課題の成績と1分間の視写速度とタイピング速度との比較を行うことを試みた。結果、手書き速度が平均以下にもかかわらずタイピング速度が平均以上の生徒が一定数存在していたが,漢字課題も併せた分析は本研究で達成できなかった。今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学習の特異的な困難さは目に見えず潜在的に通常学級の中に存在しているため学習障害を発見して抽出するではなく、集団の中にいる状態で支援する手法が重要である。本研究は個人を対象として別の場で治療教育するのではなく,多様な学び方を認める仕組みを学校の中に作る。これは学校教育における障害の捉え方を個人モデルから社会モデルへと変容させるための取り組みである。障害を個人に帰属させている限り,スティグマを恐れるためにニーズを言い出せない当事者がニーズを表明しやすい環境を作ることは難しい。障害を学校の仕組みの問題と捉え,教室の中での学び方に多様性を持たせていく視点がインクルーシブ教育の実現には欠かせない。
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