研究課題/領域番号 |
19K14297
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三盃 亜美 筑波大学, 人間系, 助教 (60730281)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 二重経路モデル / 仮名 / 発達性ディスレクシア / 失読 / 非語彙経路 / 文字列レキシコン / ディスレクシア / 語彙経路 / 文字入力辞書 / 文字長効果 / 語彙判断 / whammy effect / 拗音 / 仮名非語 / 音読 / コンピュータモデリング / 障害メカニズム / 読み指導効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界で初の、日本語の読みに特化した二重経路モデルを用いた、子どもから成人までの「読み障害」に関する「コンピュータモデリング」研究である。コンピュータモデリングから、認知特性に関する見立てと指導効果に関する仮説の妥当性を検証することで、症例の正確な実態把握と指導効果の予測ができる。それにより効果的な教材や指導の開発・提供へとつながる。本研究では、開発したモデルを用いたシミュレーション実験から、発達性ディスレクシア例や失読例が示す仮名の読み障害のメカニズムを解明し試験的に読み指導の効果を予測することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究で行った音読・語彙判断実験結果より、以下の仮説がたてられた。①仮名の読み処理は、英語の二重経路モデル同様に、視覚分析、語彙経路、非語彙経路、出力バッファーから成るシステムで読みが成立する。②仮名の文字列を処理する非語彙経路は、原則、文字単位での処理を基本とし、漢字の読み処理と独立した経路として存在する可能性がある。③音韻能力の他に、視覚認知力の弱さによって、仮名の非語彙経路の獲得・使用に障害が生じうる。④発達性ディスレクシア例が示す読みの流暢性の問題において、語彙経路が十分に使用できない理由として、文字列レキシコンのサイズが小さいこと、文字列レキシコンの活性が十分でないことが考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、研究の進捗が大幅に遅れ、予定通り、シミュレーション実験を行うことができず、二重経路モデルの完成には至らなかった。しかし、仮名の非語彙経路に関して、仮名の拗音表記の処理過程をより詳細に明らかにでき、二重経路モデルの枠組みを提案することにつながったという点に学術的意義があったと思われる。そして、発達性ディスレクシア例の文字列レキシコンの問題を明らかにできたことから、本研究成果は読みの流暢性を向上させる指導法の提案や教材づくりにつながると考えられ、教育的、社会的意義がある研究になったと思われる。
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