研究課題/領域番号 |
19K14310
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
守屋 誠太郎 筑波技術大学, 産業技術学部, 講師 (90809310)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 視覚障害 / 美術鑑賞 / 触察 / ユニバーサル・ミュージアム / 芸術鑑賞 / ユニバーサルデザイン / 視覚障害者 / 立体造形 / 芸術 / 合理的配慮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、美術展示において視覚障害者が作品を味わう上で、形態認識の他に情緒性に働きかけるためにはどのような「配慮」を行うべきかという鑑賞環境としてのニーズを明らかにすることを目的としている。 方法として、彫刻作品・立体作品を触れて鑑賞することについて、被験者パターン、作品パターン、支援パターンを組み合わせた鑑賞実験による調査を行い、形状認識の成績や、味わいにおける作品への肯定感などを調査する。それらのデータをまとめ、視覚障害者に適した鑑賞用レプリカのスケールサイズや、素材・質感の違いによるそれぞれの味わいの効果、音声ガイドの有効的な運用方法について明らかにしたいと考えている。
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研究成果の概要 |
研究所年度となる2019年度には東京ヘレン・ケラー協会の協力を得てアンケート調査を実施し、視覚障害者の美術館利用の実態や触察に適したサイズや素材の目安について調査した。その結果をまとめ、感覚代行シンポジウム、視覚リハビリテーション協会、東北芸術文化学会などでの口頭発表や国立民族学博物館での鑑賞用モデルの展示を行い、2021年度に、触覚における「識別性」と「情緒性」の観点から考察し、配慮の試みによって得られる効果についての実験調査を行なった。この結果から触察鑑賞での形状理解に適したサイズの目安や素材が明らかにできたと考える。 それらの研究成果を学術雑誌へ投稿した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、障害者差別解消法の施行によって博物館や美術館をはじめとした展示施設では、多様な人々のために拓かれた展示環境作りを目指す、ユニバーサル・ミュージアムの運動が徐々に広がって来ている。本研究では、視覚障害者が立体作品を手で触れて鑑賞する触察鑑賞に際して、立体形状の理解や作品としての味わい感についての適切なサイズや素材とは何かを調査し、その目安を明らかとした。今日のユニバーサル・ミュージアム化が求められる流れの中において、本研究が視覚障害者の鑑賞活動に関する新たな有効なデータを示すことは、今後の関係諸学や社会的に有意義な研究成果を残せたのではないだろうか。
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