研究課題/領域番号 |
19K14339
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池田 貴子 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任講師 (70773844)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 教材開発 / 都市ギツネ / エキノコックス / 感染予防 / 獣害問題 / 自然観 / リスクコミュニケーション / サイエンスビジュアリゼーション / 野生動物と人との適切な距離 / キツネ / 駆虫薬入りベイト / 餌付け / 外来種 / アライグマ / 野生動物 / キタキツネ / 教材 / オンライン / 対話 / 野生生物と人との距離 / 獣害対策 / 人獣共通感染症 / 地域住民 / 教育パッケージ / 疾病制御 |
研究開始時の研究の概要 |
「殺さなくても、防げます。」
エキノコックス症は、野生のキツネからヒトに感染する人獣共通感染症である。ヒトの治療は困難である一方、キツネについては経口薬で簡単に虫下しができる。つまり、野外に虫下し入りのベイト(餌)を広く散布し続ければ、キツネからヒトに感染するリスクを下げることができる。しかしこのベイト散布法は、日本では未だ市民に認識されないまま毎年20名程度の患者を出し続けている。
本研究では、ベイト散布法の社会実装をめざし、市民が簡単にエキノコックスの生態や予防法について学ぶことができる情報提供パッケージの開発、および行政向けの社会実装マニュアルの作成を試みる。
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研究成果の概要 |
エキノコックス症は、野生のキツネを介してヒトに感染する北海道の風土病である。長らく道民の静かな脅威となっているが、市民が感染予防に関する情報を得る機会は不十分である。一方で、駆虫薬入りベイトの散布によってキツネからヒトへの感染リスクを低減する技術が確立されているが、未だ社会実装には至っていない。 そこで本研究では、ベイト散布法の社会実装システムの構築をめざして、(1)エキノコックス教材の開発、(2)札幌市の都市公園におけるベイト散布開始の二つを目的とした。 (1)教材として絵本と動画を制作し、オンラインで公開した。(2)札幌市の都市公園「月寒公園」との協働でベイト散布を開始した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
専門家がそばにいなくともエキノコックスについての知識を得られる教材を開発した。これは、常にエキノコックス感染リスクにさらされる北海道において、各人が日常生活において感染予防のためにとるべき行動を判断できるようになることをめざしたものである。 同様に、本研究で継続してきたベイト散布にむけたリスクコミュニケーションについても、目的は市民や行政に対するベイト散布実施の説得ではなく、感染と防除のしくみを理解したうえで、ベイト散布法を取り入れるかどうかを各自が判断・選択できるようになることをめざしたものである。
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