研究課題/領域番号 |
19K14344
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
野添 生 宮崎大学, 教育学部, 教授 (20751952)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 理科カリキュラム / 統合化 / STEM教育 / 科学技術が関連する社会的諸問題(SSI) / 理科授業実践 / 科学の本質(NOS) / Socio-scientific Issues |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、育成する児童・生徒像を、これまで相克の関係にあった「専門家育成」と「市民育成」を越えて、「専門家」を包摂した「未来を拓く次世代育成」と定義する。そこから、物理・化学・生物・地学の専門分化した既存の科目を「つなぐ」という視座から再考し、未来を拓く次世代育成のための理科カリキュラムを理論的・実証的にデザインしていく。国内での試行的授業実践研究や諸外国(主として英国)の科学カリキュラムの動向調査、国際的な科学教育の潮流の理論的解明といった多様なアプローチを相補的に駆使しながら、「統合化」を主軸とした総合的考察を行い、これからの理科教育が目指すべき1つの方向性について知見や示唆を得る。
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研究実績の概要 |
本研究は、育成する児童生徒像を、これまで相克の関係にあった「専門家育成」と「市民育成」を越えて、「専門家」を包摂した「未来を拓く次世代育成」と定義した上で、物理・化学・生物・地学の専門分化した既存の科目を「つなぐ」という視座から再考し、未来を拓く次世代育成のための理科カリキュラムを理論的・実証的にデザインしていくことを目的としている。 本年度は、諸外国(主としてイギリス)で展開されているSTEM教育の実践について分析・検討を行った。文献・資料を基に学校教育から教員支援にわたり調査・分析を行った結果、大学等への進学においてSTEMに関する高校での活動が実績として扱われる事例やSTEM学習や活動を扱った内容の入学試験を確認することはできなかった。しかしながら、試験委員会(資格付与団体)が実施する科学のGCSE試験(16歳)やGCE・AS/Aレベル資格試験(17/18歳)においては、数学的スキルを取り入れることが義務付けられており、教科横断型のスキルを取り入れた評価が行われていた。また、STEM教育推進に向けた学校・教員・生徒への支援として、政府、慈善団体、イギリス国内外の企業からの資金援助により運営されている非営利機関National STEM Learning Centreが、同国内の理数系教師や学校を支援するデジタルアーカイブの整備に加え、STEM教科の教員研修プログラム「(教師の)継続的な専門的成長(Continuing Professional Development: CPD)」を提供しており、同機関がイギリスのSTEM教育プラットフォームとして重要な役割を果たしていることも明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に関わる課題や成果は国内の学会発表を中心に数多く発表され、研究成果の発信には力を注いでいるが、研究全体そのものはCOVID-19感染拡大防止措置の影響で国内外の調査研究にかかる移動が制限されたことにより、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
中学校の授業実践研究で得られた授業実践データの整理・分析や、諸外国(主としてイギリス)の科学カリキュラムの文献調査・分析、「Socio-scientific Issues: SSI」や「Nature of Science: NOS」の分析を引き続き相補的に推進していく。得られた研究成果は、今年度同様、国内外の学術界や科学技術・社会に向けて積極的に広く発信していく。
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