研究課題/領域番号 |
19K14356
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
竹部 成崇 大妻女子大学, 文学部, 講師 (10822314)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 不況 / 資源不足 / 内集団の狭隘化 / 排斥 / ゼロサム信念 / 外国人労働者 / 移民 / プライミング / 顔知覚 / シナリオ実験 / 世界価値観調査 / マルチレベル分析 / 欠乏 / 内集団の範囲 / 資源 / 集団内分裂 / 集団間紛争 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、反グローバリズム的な風潮が世界的に見られ、それに伴う暴動が発生している地域もある。心理学領域の研究は、こうした現象の背後に、不況の知覚の影響があることを示唆している。しかしこれらの研究は、不況の知覚が内集団の範囲を狭める認知傾向を引き起こすという現象の「存在」を示すにとどまっており、そのプロセスおよび社会的帰結は明らかでない。そこで本研究では、不況の知覚が内集団の範囲を狭め、内集団成員か外集団成員か曖昧な人物への攻撃を促進するプロセスを解明する。これを解明し、各段階での介入方法を検討することで、昨今の反グローバリズム的風潮とそれに伴う暴動を改善・予防する糸口が得られることが期待される。
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研究成果の概要 |
第1に、先行研究で示されていた「資源不足を知覚させると内集団成員か外集団成員か曖昧な人物を外集団成員と判断しやすくなる」という知見が(少なくとも現在の日本では)再現されないことを明らかにした。第2に、資源不足がゼロサム信念を介して外集団成員排斥意図を促進するというモデルは、研究方法(シナリオ実験・プライミング実験・大規模社会調査の二次分析)によって支持されたりされなかったりすることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上述した1つ目の成果は、資源不足による内集団の狭隘化が態度や行動より前の「知覚」という段階において「非意識的に」生じうるという、理論的・社会的インパクトのある知見に疑問を呈するものである。2つ目の成果は、資源不足が外集団成員排斥意図に及ぼす影響およびそのプロセスについての理解を深めるものであるとともに、今後、資源不足の影響を明らかにしようとする際に用いるべき研究方法についてのヒントとなるものである。
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