研究課題/領域番号 |
19K14359
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古川 善也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (50826477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | モラルライセンシング / 道徳 / 道徳アイデンティティ / 向社会性 / 制御焦点 / 不道徳行動 / 道徳不活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
個人・組織の道徳行動の促進として道徳教育,経営倫理教育などが取り組まれているが,このように社会・教育政策としての道徳行動の推進は,必ずしも人の道徳性を育み,不道徳行動の抑制に繋がるわけではない。道徳行動の実行は時として逆に不道徳行動を促進してしまうことさえある(モラルライセンシング効果)。本研究では,モラルライセンシング効果に着目し,先行の道徳行動が後の不道徳を促進する“ライセンス”となるか,あるいは更なる道徳行動を引き起こす一貫性をもたらすか,その分岐のプロセスを説明するために,1つの媒介要因(心理的Entitlement)と2つの調整要因(制御焦点と価値)から成る仮説モデルを検証する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,モラルライセンシング効果に着目し,先行の道徳行動が後の不道徳を促進する「ライセンス」となるか,あるいは更なる道徳行動を引き起こす一貫性をもたらすか,その分岐のプロセスを説明するために,1つの媒介要因(心理的Entitlement)と2つの調整要因(制御焦点と価値)から成る仮説モデルを提案・検証することであった。質問紙調査やオンライン実験を実施した結果,特性レベルでの道徳行動の蓄積の多寡が自身の行動に権利と正当性を高めて,結果として不道徳行動を起こしやすくしてしまう関係でのモラルライセンシング効果が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果からは,先行の道徳行動が後の不道徳を促進する「ライセンス」となるか,あるいは更なる道徳行動を引き起こす一貫性をもたらすかの分岐となる境界条件を明らかにすることが出来なかった。しかしながら,様々に指摘されているモラルライセンシング効果の境界条件について実証的検討を行ったことに一定の意義がある。近年の研究においてモラルライセンシング効果において文化差による影響や他者の存在による影響の重要性が指摘されており,今後においてどのような要因を検討すべきかの道筋が示されている。
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