研究課題/領域番号 |
19K14370
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 日本女子大学 (2022) 早稲田大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
石井 辰典 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (40708989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 宗教的信念 / 心の理論 / 共感的関心 / 宗教認知科学 / メタ分析 / 潜在連合テスト / 潜在的指標 / 潜在的態度 |
研究開始時の研究の概要 |
たとえ特定の宗教への信仰を持たずとも、例えば「困ったときには思わず神頼みをしてしまう」とか「神社・仏閣で神聖な何かがいるように感じてしまう」といった経験を持つ人は少なくないだろう。このように信仰の有無とは別に、素朴に神様や精霊といった存在を素朴に認める人は多くいる。ではこうした“神・精霊を信じる気持ち”は、一体どこからやってくるのだろう?本研究では、この問題について近年提唱された“心の理論仮説”の妥当性を検証することを目的とする。具体的には、メタ分析、“神を信じる気持ち”の非意識的側面を測定する測度の開発、そして文化比較研究を実施し、“神・精霊を信じる気持ち”の心理的な由来を探求する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、超自然的な宗教的存在(神、精霊など)が存在すると信じる気持ちである宗教的信念が、心の理論と呼ばれる社会的認知能力を基盤としているという仮説を実証的に検討することであった。心の理論の認知的側面(まなざしから心を読むテスト)や情動的側面(共感化指数・共感的関心)を測定し、それらと宗教的信念の測度の関連を成人や子どもを対象に多角的に検討した結果、一貫して情動的側面、特に共感的関心が信念との比較的高い関連を示した。心の理論の情動的側面がどのように宗教的信念の形成に関与するかが議論された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神仏や精霊などの超自然的存在が存在すると信じる気持ちを宗教的信念と呼ぶ。この宗教的信念がどのような心的基盤から形成されているのかを探るための研究を実施した。その結果、生物・非生物問わずに対象の動きに「心」を見出す能力である「心の理論」の関与が認められた。特に、対象の心に注意を向けてしまう人ほど、物理的実体としては存在しないはずの神仏や精霊を心を持つ存在と認識する結果、「存在する」と信じる可能性が示唆された。
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