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社会関係資本の醸成に寄与するコミュニティカフェの特性に関するフィールド研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K14371
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分10010:社会心理学関連
研究機関法政大学

研究代表者

土倉 英志  法政大学, 社会学部, 准教授 (00614637)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードサードプレイス / コミュニティカフェ / 居場所 / 心理的居場所 / 場にたいする信頼 / 心理的居場所感 / 場 / コンボイ / 人間関係 / 人生移行 / 人びとのつながり / 社会関係資本 / 実践研究 / アクションリサーチ / 安心と信頼
研究開始時の研究の概要

人びとが安心して暮らしていくうえで,自分らしくいられる居場所があること,心地よい人間関係があることは重要である。くわえて,自宅(ファーストプレイス)や職場・学校(セカンドプレイス)のほかにも,居場所をもつことの意義が指摘されている。そうした場はサードプレイスと呼ばれ,人びとのつながりをはぐくみうる。
ただし,どこかに場所を設ければ,自ずと人びとの居場所となったり,人びとのつながりが生まれるわけではなく,様々な工夫や配慮が求められる。本研究では,サードプレイスが機能する仕組みを詳細に明らかにすることを目的とする。とくに,サードプレイスのひとつとなりうるコミュニティカフェに焦点をあてる。

研究実績の概要

本研究はサードプレイスが機能する仕組みを明らかにすることを目的としている。2023年度は主につぎの2点に取り組んだ。(1)コミュニティカフェのフィールド調査、(2)インタビューの分析、である。
(1)コミュニティカフェのフィールド調査を実施した。2019、2021年度に実施したオーナーを対象とするインタビュー、2022年度に実施した常連の利用者を対象とするインタビューに続き、今年度も継続して常連の利用者にインタビューへの協力を依頼した。そのほかに、コミュニティカフェが実施するイベントのフィールド調査を実施し、人びとのかかわりにおけるカフェの機能について理解を深めることを目指した。
(2)コミュニティカフェの利用者の語り(2022年度に実施したインタビュー)を分析した。まず、コロナ禍との関連に注目して分析を行った(土倉, 2023a)。コロナ禍で外出もままならないなか、足を運べる場所としてコミュニティカフェは相対的に重要性を増していたことがわかった。外出の自粛が要請されるなか、行きたいところがあっても行くことがためらわれる状況が続いていた。そうした状況において、コミュニティカフェに足を運ぶことを可能にした重要な要因として、「場にたいする信頼」と呼びうるものがあることが見いだされた。
つぎに、「場にたいする信頼」とはどのようなものかに注目して分析を行った(土倉, 2023b)。「場にたいする信頼」を構成する要素として、少なくとも3つの層があると考えられた。1つめは「オーナーにたいする信頼」、2つめは「利用者にたいする信頼」、そして3つめは「将来への漠然とした期待」であった。カフェという「場」で、オーナーや他の利用者と出会い言葉をかわす、また、イベントに参加したりして交流を深める。こうした具体的な過去の経験にもとづいて、カフェという「場」にたいする信頼がはぐくまれていることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の広がりにより、当初予定していたフィールド調査の計画を見直す必要が生じた。そこで、問いを追究する別のアプローチについても検討した。これにより遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

まず、「研究実績の概要」に記した(1)コミュニティカフェのフィールド調査については、データ分析と研究報告の準備を進めたい。つぎに、2023年度は質問紙調査を進めることができなかったため、サードプレイスと人称性に関する調査の実施に向けて準備を進めたい。さいごに、昨年度、調査を進める過程で、かつてサードプレイスだったにもかかわらず廃れてしまった場所や別のかたちで人びとの居場所になっている場所や活動についてヒントを得ることができた。たとえば、商店街、神社、子育て広場などを挙げることができる。このうち、2023年度は子育て支援センターのフィールド調査を実施し、サードプレイスとしての意味を検討した。こうしたテーマについても引き続き検討していきたい。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] フィールドをめぐる認知科学としての「実践的研究」: 30年間のうつろいからみえてきたこと2023

    • 著者名/発表者名
      原田 悦子、土倉 英志
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 30 号: 1 ページ: 56-62

    • DOI

      10.11225/cs.2022.075

    • ISSN
      1341-7924, 1881-5995
    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 場にたいする信頼―不要不急が照らすコミュニティカフェの意味2023

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 場にたいする信頼とは何か―その醸成過程に焦点をあてて2023

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本質的心理学会第20回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 場とつながる人生―コミュニティカフェのオーナーの語りから2022

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本質的心理学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 居場所はどのように構造化されるのか―構造と成り立ちの把握に向けた探索的検討2021

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本グループ・ダイナミックス学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 文脈をなぞる―フィールドの知と文脈依存性2021

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本質的心理学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 実践研究という経験学習2020

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本質的心理学会第17回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 変わりゆく実践研究、変わりゆく研究者2019

    • 著者名/発表者名
      土倉英志
    • 学会等名
      日本認知科学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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